第一話 霧の日 (全五話)
不思議なものだ。恋人が出来た時は「2人で幸せになりたい」多くの人がそう感じるはずなのに。なぜ喧嘩をしてしまい、別れてしまうのか?私は少し不思議に思っていた。
私はいつものように恋人とデートをしていた。近く私はプロポーズをしようかと考えている。私は恋人と共に末永く幸せにいる事が出来るのであろうか?「勢いでプロポーズをしたら返って恋人を不幸にさせてしまうのではないか?」そう、悩みながら自問自答する日が続いた。
ある日の事、私は仕事帰りの日に恋人と会う約束があった。そのため、仕事を早く終わらせて私は会社を後にした。私の事情を知るもの達からは応援する言葉が飛び交った。
会社の玄関を出て、私は駅へと向かう途中に突然、人にぶつかった。「いてて、ごめんなさい。」と言いながら振り返ると忍者の姿をした人がいた。忍者は「ついてこい」と一言言って、私の腕をつかんだ。最初、強く握られて腕の圧迫感を強く感じた。不思議とあたりは霧に覆われ始めて腕をつかまれている感覚が次第に薄れてきていつの間にか忍者の姿はなかった。周囲はいつの間にか霧で何も見えなくなっていた。しばらくすると、どこからか「あなたは選ばれし勇者である。世界を救うために今動くとき」と声がした。
(私は白い世界に引きずり込まれてしまったのか?)と思いながら霧の中をさまよっていた。どこに進めばよいのか。進むべき道はこの先にあるのか。私は元来た場所に戻ろうとした。すると、さっきの声がして「勇者よほんとによいのか?答えが見つからぬまま。この世界を出ても?」と声がしたが、私は恋人との約束があったので来た道を戻ることにした。しかし、霧のせいで迷ってしまい、戻ることが出来なかった。次第に体が濡れていき、体が冷たくなっていく。次第に私は死を覚悟し始めた。(約束があるんだ僕はここで諦めるわけにはいかない。)私の心が読めるのか再び声がして「ならば、ひたすら前に進め。戻りたいと思っても、あなたの感覚だけでは、不可能であるのだから」と言われた。私は冷たく濡れて重たい体を動かしてひたすら前に進んだ。何もなくただひたすらに霧の中を歩いている。崖が現れて前に進めなくなった。私はその崖を登って行った。崖を登った先には剣と盾があった。私は(これが、勇者の盾と剣これを持てば無事に帰ることが出来るのだと。)私は、剣と盾を持って剣を振りかざした。すると、不思議と霧が晴れていった。同時にどんな道を歩んできたか。私は分かったのであった。
晴れてようやく気が付いたのだが、きちんと道路標識があった。標識の通り進めば、こんな崖登らなくても済んだのに。しかし、声のゆう通り自分の信じた方向に進んだおかげで一つの目的地にたどり着くことが出来た。しかし、喜んでいるのもつかの間であった。さらなる試練が私に襲い掛かるのであった。