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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編集

瞳に映った彼女の未来は

作者: 夜明碧堵

ベットに腰をかけた彼女は大量の睡眠薬を片手に窓の外を見入る。



その顔はどこか悲しそうに見えて、嬉しそうでもあったと同時にぼんやりとしていた。



机に置いてあったスマホを手に取り、誰かに電話をかける。


「あ、もしもして久しぶり。3年ぶり、かな。会えなくてごめんね〜。仕事が忙しかったんだ。」


「ん〜若干?わかんないや。」


「声聞きたくなってw良かった電話でてくれて。」


「きっと明日も仕事だよね。ごめんね、こんな時間に。おやすみ。じゃあ。」


そう言って電話を切る。




彼女は主に女性受けのアイドルだった。


活動で忙しかった。


大学院を出てから就職して、働きながらもアイドルとしても活動していた。


途中で本業は辞めてしまったが。


遊ぶ暇もないぐらい多忙な日々だった。


しかし、有名になって数年、世界進出を望んでいた他メンバーもいたのに関わらず、彼女は引退する決意をした。


「普通の人として生きたい。周りの目を気にせずに生きたい。ちゃんと家族にも全て話したい。」


そうメンバーに伝えた。


彼女以外のメンバーは活動を続ける。


だから、けじめついてまたやりたくなったら帰っておいでって、送り出してくれた。


きっと彼女なりに人生でやりたいことがあるのだろう。





彼女は机の目立つところに手紙を置いた。


家族へ、友達へ、メンバーへ、恋人へ...


他にもいくつかの紙も一緒に置いた。


彼女はもともと家族に話すつもりなど一切ないのだろう。


そして彼女はコップを片手に水といくつかの薬を口に運ぶ。


何度も同じことを繰り返す。


そのような行動をとる彼女は正気ではない。




きっと彼女に明日は来ない。


「こんな世界、疲れたんだ」


だんだんと彼女の視界がふらつく。


「これでいいんだ。これでいい..」



後日、国民的アイドルだった”彼”宛に沢山の悲しいメッセージが届いた。

これはジェンダーが題材の物語です。


主人公の彼女(29歳ぐらい)が電話していたのは彼氏。

彼とは5年近く会っていない。

お互い都合が合わないから、とても遠距離恋愛。恋人なのかどうかも怪しいくらい。

「ん〜若干?」の前、電話相手が言ってた言葉は「ん?若手声変わった?」



裏設定:彼女は性同一性障害でホルモン治療をして男性アイドルとして生きていた。なので「女性向け」。だから恋人(彼氏)にも活動名や治療していることは言わなかった。一応ネット活動者?彼に電話した3年前にも活動休止をしており、精神を安定させるためにホルモン治療も中断していた。(適合手術はしていない設定)このまま活動を続けても関係者に迷惑をかけるだけだと彼女は思った。


ホルモン治療はお金かかるし一生できるとも叶わない。生まれ変わったら男になれるように薬に期待を添える。



いくつかの紙→精神科の診断書

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