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流転の國 vol.2 〜闇堕ち編〜  作者: 川口冬至夜


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第42話

マヤリィがネクロに集中している隙に、ルーリは崩れた床から下の階に落ちた仲間達を探します。

今こそ、流転の國最強の膂力を役立てる時!?

「今のうちに皆を…!」

ネクロがマヤリィを追い詰めている間に、ルーリは皆を探す為に動き始めた。

まずは一番近くにいたシロマの姿を探す。

崩れた床からそっと階下に降りると、ルーリは辺りを見回す。瓦礫の下に、ウィンプルの一部を見つける。

「シロマ!!」

流転の國最強の膂力をもって瓦礫を動かし、シロマを助け出す。頭から血を流し、意識を失っているシロマ。

ルーリは素早くアイテムボックスから『全回復』の宝玉を取り出す。

彼女が魔力を込めた宝玉が彼女を救う。

シロマはすぐに目を開ける。

「ルーリ様!ありがとうございます!…皆は無事ですか?ユキさんは…バイオさんは…」

「分からない。恐らくこの階に落ちてしまったと思うんだが…。今はこの瓦礫の山の中を探すしかない」

ルーリとシロマは二人を探す。

今、上の階の戦況を確認する余裕はない。分かっているのは、迂闊にマヤリィに近付けばネクロの邪魔になってしまうということだけ。

「ユキ!いたら返事をしてくれ!」

「バイオさん!どこですか!?」

二人の名を呼びながらルーリとシロマが歩いていると、すすり泣く声が聞こえる。

「ユキ!?そこにいるのか!?」

ルーリが呼びかける。

「ルーリ様…ですか?」

弱々しいユキの声が聞こえる。

「どこにいる?挟まれているのか?」

「私は瓦礫の隙間にいるので…とりあえずは大丈夫ですが…バイオの姿が見えません…」

ルーリは声を頼りにユキの方へ近付く。

シロマも後に続く。

「ユキ!どこだ!?」

「ここです…ルーリ様ぁ……!」

瓦礫の隙間から手を出すユキ。

「ここか…!」

ルーリは周囲の瓦礫に気を付けながらユキを助け出す。そして、姿の見えないバイオを探す。

「ユキ、バイオがどの辺りにいるか分かるか?」

「近くに落ちてしまったと思うのですが…」

ユキは自分を庇って怪我を負ったバイオを思い出し、泣きながら辺りを探す。

「バイオ!どこにいるの!?」

必死に声を振り絞る。

「バイオ!返事をしてくれ!!」

ルーリも叫ぶ。

シロマはいつでも魔術を発動出来るよう『ダイヤモンドロック』を手にバイオを探した。

その時。

「ユキ……ここ…」

「聞こえた!聞こえました、ルーリ様!!」

バイオの身体は見えないが、瓦礫の下に血が流れているのが見える。

「バイオ!そこか!!」

これ以上崩れないよう細心の注意を払いながら、ルーリはバイオを助け出す。

「『全回復』」

すかさずシロマが回復魔法を発動する。

バイオの傷が全て治る。

「ご主人様、シロマ様、感謝致します」

バイオはそう言って頭を下げると、ユキの無事を確認して、

「私の大切なユキ…。無事でよかった」

「バイオ…!」

ユキはそれ以上何も言えずに、泣きながらバイオを抱きしめた。

「ネクロ様は…ご無事でしょうか…」

シロマが心配そうに上を見上げる。

もう瓦礫が降ってくる気配はない。

「蝙蝠達が飛んでいく音がした。…だが、奴等が持っている不穏な気配は消えたようだ」

「では、すぐに加勢を…!」

ユキが焦って上を見上げる。

「いや、先に様子を見た方がいい。ネクロの『死霊使役』が効いた以上、いくらマヤリィ様でも操られている可能性が高い」

「しかし、マヤリィ様の魔力は強大…」

バイオもかなり焦っている。

「とりあえず、落ち着け。慌てて上に戻った所で、再びマヤリィ様に攻撃されれば、今度こそ皆助からないかもしれん」

ルーリはそう言うと、

「…不思議に思っているのだが、マヤリィ様はなぜ私達を攻撃する際にあの銃とかいう武器を使ったのだろう?彼女の魔力なら、わざわざ流転の羅針盤から取り出さなければならないような武器を使わなくとも、いくらでもやりようがあったはずだ」

「確かに…あの武器でしか攻撃してきませんでしたね。魔力を使っていたのは『飛行』の時と、羅針盤を操っていた時だけ…。その羅針盤も元はミノリ様の物ですから、マヤリィ様自身の魔力は少なくなっているのかもしれませんね」

シロマが冷静に分析をする。

「悪魔と契約したと言っていたが…自分の魔力を対価にしたという可能性も考えられるな」

「成程、それならば辻褄が合いますね」

「断定は出来ないが、十分に有り得る話だ」

今、上の階で何が起きているかは分からない。

ただ、ネクロが発している魔力の凄まじさだけが皆に戦況を知らせている。一方で、マヤリィの魔力は全く感じられない。

「もう少し作戦を考えるとしよう。…ネクロは大丈夫だ」

ルーリは自信を持ってそう言う。

「そんな…本当に大丈夫なんですか?」

ユキが心配そうに聞く。

「あいつは最上位の黒魔術師にして鉄壁のネクロマンサー。魔力の尽きかけた死霊が敵う相手じゃない」

「…それでは、私達が今取るべき行動は…」

皆がルーリの命令を待つ。

「二手に分かれてミノリを探す。死霊退治はネクロに任せて、今は仲間の無事を確認しよう」

ルーリが言う。

「念話も…使えるな?」

「はい、大丈夫です」

ルーリは頷くと、

「私とユキはまず書庫に向かう」

「畏まりました。では、バイオさん。私達はミノリ様の部屋に行ってみましょう」

シロマが言う。

「どうかご無事で」

「ああ。必ずミノリを見つけ出そう」

ルーリの力強い言葉を聞いて、三人は頷く。

こうしてミノリの捜索が始まった。

ネクロの優勢を確信したルーリは、行方不明のミノリを探すことを提案します。

先程まで身体を乗っ取られていたミノリ。

彼女は今どこで何をしているのでしょうか…?

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