第41話
鉄壁のネクロマンサー降臨。
さて、死霊はどうなる?
「さて、マヤリィ様~?貴女様は何をお望みなのでしょうか~?」
ver.クロネのまま、マヤリィに問いかける。
「貴女…ネクロなの?」
今さらすぎるよ、マヤリィ様。
「えぇ?今さらですか~?この藍色の目に覚えはありませんか~?この藍色の髪に覚えはありませんか~?」
「『変化』にもほどがあるわ…」
ミノリになってた貴女が言いますか。
「ところで、この蝙蝠達は既にこの世の者ではなかったのに、どうして死体になっているの?」
魔国の悪魔の眷属。
だから元々生者ではないが、最初の段階では操ることが出来なかった。
ネクロは説明する。
「私の魔力で操れる状態にする為に、もう一度死んでもらいました。…二度目に蝙蝠共の不穏な気配を察知した時、彼等に『蘇生』魔術をかけ、ほぼ同時に「殺人系統魔術」の『絶命』を発動して、全滅させたというわけです〜」
甘ったるい声で微笑みさえ浮かべてマヤリィと対峙するネクロだが、実は物凄く怒っている。もはや本物のマヤリィであろうと容赦はしない。二度目はない。
「そういうわけで、貴女と契約した悪魔とやらに会わせてもらいましょうか~」
ネクロが指を鳴らす。すると、マヤリィの隣に、それらしき者が現れる。
「たとえ魔国の悪魔と言えど、たとえ死ぬことのない者であろうと、消してしまえば二度と復活することは出来ない」
喋っているのはネクロの持つ細い杖だった。
地獄の底から響いてくるような男の声で、悪魔に向かって言い放つ。
その間、ネクロは禁術の詠唱を始める。
…クロネの声のまま。
「さて、覚悟はよろしいですかな?悪魔殿」
かつてない恐ろしい表情で、ネクロは魔法陣を展開。そして、
「『完全消滅』せよ。『回避不可』『反撃不可』『最大強化』発動」
ブラックホールを可視化したような闇が現れたかと思うと、悪魔の身体に真っ黒な棘鎖が絡み付き、少しずつその一部を消していく。
凄まじい阿鼻叫喚の声が渦巻く…はずだが、喋る杖が機転を利かせたのか『サイレント』が発動している。きっと城のどこかにいる仲間達を怖がらせない為に。
身体を少しずつ消される苦しみに悶える悪魔の声は隣にいるマヤリィにだけ聞こえていた。
「やめて…!もうやめて……!!」
悪魔と一緒に蝙蝠達も消えていく為、マヤリィはひととき拘束を解かれて耳を塞ぐ。
それでも聞こえてくる断末魔の悲鳴。
「マヤリィ様、いかがですか~?悪魔が消滅したら貴女様との契約は自動的に破棄されることになりますよ~?そしたら、落ち着いてお話し出来ますね~」
禁術に禁術を重ね、今もなお魔力を放ち続けているというのに、ネクロは余裕の表情である。
「では改めて。『死霊使役』」
ネクロは微笑みながら、そして殺気をあらわにしながら、マヤリィに迫る。
普段は使う場面がないので出番はありませんでしたが、ネクロは当然の如く「殺人系統魔術」を使役することが出来ます。
一瞬で蝙蝠達を蘇生し絶命させた、禁術の連続発動。
ネクロにしか出来ない技です。




