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流転の國 vol.2 〜闇堕ち編〜  作者: 川口冬至夜


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第39話

魔力爆発。ミノリ様ご乱心。

かと思いきや、その中身は……。

「ミノリ様、落ち着いて下さいませ…!」

ユキが懇願する。

ミノリの魔力爆発は水晶球の間で起きた。

一番近くにいたユキは説得を試みる。

何があったのかは分からないが、ミノリの魔力爆発は怖すぎる。

「ユキ!大丈夫か!?」

念話を受けたルーリがすぐに転移してくる。

ミノリの姿は煙の中だった。

「ミノリ…!」

「私、皆に会いたいわ…」

「悪かったよ、ミノリ。お前に何も言わずに桜色の都に行っていたこと、本当に申し訳なく思っている」

「そこにいるの…ルーリ…?」

「ああ、私だ。ルーリだ。」

煙の中からミノリが現れる。

「ルーリ、久しぶりね。早くネクロやシロマにも会いたいわ。…でも、この場所でなくてもいいの。この國は…もうなくてもいいのよ」

『流転の羅針盤』が宙に浮く。

「もう一度、魔力爆発するわよ?」

ミノリはそう言うが、周囲に魔術書はない。

「流転の羅針盤…よく修復してくれたわね」

ミノリの言葉の一つ一つにルーリは違和感を覚える。

「ちょっと待て。お前は…ミノリじゃない」

そこへ、シロマとバイオが駆け込んでくる。

「ミノリ様!?一体どうなさったのですか?」

「シロマ…!会いたかったわ」

その時、桜色の都にいるネクロからルーリに念話が送られてくる。

しかし、すぐに返事が出来ない。

気付けば、ミノリがルーリに向けて見知らぬ武器を構えている。

(やはりミノリではない……!)

ルーリは慌てて念話を送る。

《こちらルーリ。ネクロ、緊急事態だ。今は戻ってくるな。不穏な気配を感じたらすぐにシールドを張れ。とにかく、今はダメだ!安全を確保しろ!!》

そう言いながら、ルーリは自分もシールドを張ろうとする。しかし、遅かった。

見知らぬ武器から物凄い音がしたかと思うと、ルーリは左肩を撃ち抜かれていた。

「っ…」

ルーリが肩を押さえて膝をつく。

「ルーリ様!!」

シロマが駆け寄ろうとするが、流転の羅針盤が彼女の前に立ち塞がる。

その間にも、ミノリは次々に壁を破壊していく。その武器の名前は誰も知らない。

「『流転の閃光』……!」

ルーリはかろうじて右手に雷を宿し、ミノリの武器めがけて流転の閃光を発動させる。

ミノリはその衝撃で武器を落とす。そして、

「『麻痺拘束』」

雷の鎖に拘束される。

ルーリは肩から血を流しながら、

「貴女は…マヤリィ様でございますね?」

「えっ……」

ユキとバイオの動揺する声が聞こえる。

シロマは覚悟していたかのように唇を噛みしめる。

「あら、もう認めてしまうの?私がミノリではないと…」

「はい。貴女がどんな手段を使ってミノリの身体に乗り移ったかは存じ上げませんが、なにゆえこの城を破壊なさるのですか?」

「乗り移っただなんて随分な言い方ね。…私はただミノリの身体を借りただけ。とても可愛らしいでしょう?」

ミノリの顔。ミノリの声。

しかし、その話し方は紛れもなくマヤリィ。

「もっと騙されてくれてても良かったのに。…ああ、私の演技が下手なのね?ミノリは自分のことを私だなんて言わないものね」

ユキとバイオはまだ事態が飲み込めていない。シロマとて、どうすることも出来ない。

「今、ネクロを探しているの。恐らく、桜色の都にいるのでしょうね。私の眷属に命じて探させているところよ」

「眷属…?」

「私と契約した悪魔のしもべ。…あら、甦った方法をバラしちゃったわね」

その場にいる四人には、何のことだか分からない。魔国について少しばかり本で読んだミノリはこうして身体を乗っ取られているし、ネクロは桜色の都に留まったまま。

「貴女の目的は…何ですか?」

ルーリは痛みに耐えながら、ミノリの姿をしたマヤリィと必死で対話しようとする。

「私はただ皆に会いたかっただけよ。…ネクロがどこにいるか教えて頂戴」

「…分かりません」

「嘘ね」

ミノリは不敵な笑みを浮かべる。

「本当は知っているのでしょう?言いなさい。これは命令よ」

こんなミノリ知らない…。

ユキもバイオも、ようやく目の前にいるミノリが偽物であるということを実感する。

「今は私が流転の國の主です。たとえマヤリィ様のご命令であっても従うことは出来ません」

ルーリは命令を拒む。

「あら、貴女が私の命令を拒否するなんて。…ふふ、面白いことになってきたわね」

そう言いながら、流転の羅針盤を近くに呼び寄せる。

「それにしても、痛そうね。シロマ、回復魔法を使っていいわよ」

シロマはすぐにルーリを『全回復』させる。

「そうそう、皆が不思議そうに見てたこの武器は銃というのよ。これがあれば、遠距離攻撃も簡単に出来るわ。他にも色々種類はあるみたいだけれど…私もあまり詳しくはなくてね」

ミノリの顔。ミノリの声。

されど、中身は悪魔のようなマヤリィ。

「さぁ、この國を壊しましょう」

先程の銃の連射によって崩れかかった城の中で、ミノリの姿をしたマヤリィはとても楽しそうに笑うのだった。

ミノリの身体を借りたマヤリィ。

魔術ではなく拳銃を使ってルーリを攻撃し、流転の城を破壊しようとします。


物理戦最弱のマヤリィが魔術抜きで攻撃するには、ファンタジーらしからぬ武器が必要なのです。

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