間話① クレオの妻たちの集い
【アリッサ視点】
「こうして皆さんに集まってもらったのは、クレオ様についてです」
「クレオ様が抱いてくれないとかそういう話か」
「えぇその通りですクレハ」
「クレオ様は成人してるのに手を出してこないよな」
「そうなのですよリンダ。何故なのか全くわかりません」
「よく倫理的とか言ってますわね」
「そうなのですよリコル。成人してるから問題ないのに」
「アリッサが成人してないからじゃない?」
「えっ、エキナそれはその」
「モジモジしちゃってさ。でも確か獣人族の成人は16歳じゃなかった。アリッサはまだ12歳。だから誰にも手を出してないんじゃないかしら」
「メル、それは私のためにクレオ様が我慢してくれてるって認識でいいのかしら?」
「実際そうだと思います。ご主人様様はアリッサ様のために必死に欲を抑えてるように感じられます」
「カーミラまで私のせいだと」
「そうではないだろう。アリッサのことが大事だからクレオはその日まで必死に耐えてるって事じゃないか?」
「何故エレイン殿がここに」
「エレイン殿じゃなくてエレインで良いわ。実はさっき首元噛まれちゃって、、、」
「なんですって〜」
私はエレインに近づき首元を見る。
そこには確かにクレオ様の契約の痕があった。
「どうしてエレインが」
「迂闊だった。あまりにも飯が美味しいからこんな飯が毎日食べられるならクレオの妻になってもいいなって言ってしまったんだ。それを聞いたクレオが後ろに回って不意打ちで首元の血を吸ってきたんだ。とても気持ちよかった。それにクレオの血もとても美味しかった」
「ちゃっかり血の交換までしてるじゃないですかもう。また増えた。いつになったらクレオ様は私だけを見てくれるの」
「ハァ、アリッサは心配性なのだな。クレオのことをそばで見てたら誰が1番かわかるというのに」
みんながエレインの言葉にうんうんと頷いている。
「皆さんそう言いますけど私はそんなに特別扱いされてる気がしないのですが」
「アリッサそれは喧嘩売ってんのか?デートなんかしてもらったことねぇぞ。羨ましいわこんちくしょう」
「ごめんなさいクレハ」
「花の冠を渡されたこともないしね」
「ごめんなさいリンダ」
「キスされたこともねぇな」
「ごめんなさいリコル」
「頻繁に抱きしめられたりもしませんね」
「ごめんなさいエキナ」
「モフモフとか言いながら埋めたりもされているのに〜」
「ごめんなさいメル」
「御主人様はアリッサ様のことをよく話されていますよ」
「ごめんなさいカーミラ」
「今聞いた中だけでもアリッサのことを特別視しているのが丸わかりではないか」
「ごめんなさいエレイン」
「謝るだけか。他にクレオとどんなことしたのだ。ホレホレ言ってみよ」
「え〜っと一泊2日の旅行をしました」
「良し殺そう」「えぇ」「こりゃダメだ」「えぇ全く」「マジ許せねぇっす」「安心してください私もです」「アーハッハッ。面白すぎだね全く」
「待って待って皆さんヤメテ〜」
みんなが私を全身コチョコチョの刑に処す。
笑いすぎて腹筋が痛くなる私。
一通り終わったら今度はエレインがターゲットになっていた。
「でさぁ。エレインはクレオ様から何してもらったの?」
「えっ。私はだな。不意打ちで首元を噛まれて血を吸われた後、クレオの首元を噛み返して血を吸ってる最中に耳元で『エレインの血とても美味しいよ』だったかな」
「あっ普通だ。問題なし」
「あっそのあと少しブラブラと街を見回ったかな」
「それデートじゃねえか。全身コチョコチョの刑に処す。皆のものかかれ〜」
クレハの言葉にみんなノリノリでエレインをくすぐる。
「そこはちょっとやめて、あっそこは本当にダメだって」
笑いながら時折そんなことを呟くエレイン、でもやめるわけがないみんな。
「もう朝から何騒いでるのさ」
「クレオ様」
エレインも含めたそこにいた全員がそう呟くのがやっとだった。
「朝御飯は何が良い、クレハやリンダ、リコルにエキナ、メルにカーミラには近頃構ってあげられなくて可哀想なことしたからさ。今日は好きなもの作ってあげるよ」
みんな歓喜していた。
クレハはハンバーグ定食、リンダはチキンの丸焼き、リコルとエキナはチキンライス、メルとカーミラはラットモーグルのトマト煮込みを満足そうに食べた。
「本当みんなの美味しそうに食べる顔見てると僕まで笑顔になるよ」
そんなクレオ様の嬉しそうな顔見てるだけで私も嬉しいですよ。
でもこのタイミングで言わないと。
「スイーツ食べたーい」
私の言葉にみんなが笑った。
「アリッサはホントスイーツ好きになっちゃったもんだ」
「ダメですか?」
「そんなことないよ。じゃあ今日はパフェにしようか」
私とカーミラはイチゴパフェ、リコルとエキナはカスタードパフェ、エレインはバナナパフェ、クレハとリンダはメロンパフェ、メルはスイカパフェを食べた。
「ホント幸せそうな顔するよね」
「スイーツとやらはランスホース帝国で出回ってないからな」
「魔族領にもこんなものありませんでしたよ」
「今度私とエキナの育った孤児院に差し入れしてあげたいわ」
「吸血鬼領でも食べたことない」
「私たちの幸運はクレオ様に出会えてクレオ様の妻になれたことですね。これからも皆で手を取り合いお支えしましょう」
「えぇ」
皆が頷く。
「あっそうだ。アリッサが16歳になったらシフト組んであげるね」
「シフト?」
「うん。夜伽のね。今日は誰々の番って決めておいたら喧嘩しないでしょ」
クレオ様の言葉を聞き耳まで真っ赤になったのは私だけじゃなくてみんなもでした。
私の16歳の誕生日まで残り一年。
とてつもない恐怖が足元からじわりじわりと迫ってきていたのです。
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