第13話 ランスホース帝国の現状
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【クレオ視点】
「エレインさん、居場所が無くなったってどういうこと?」
「そこのクズから聞いた話だから確認したわけではないがどうやらランスホース帝国では私は戦死したことになっているらしいのだ。それに生きてたと知られると殺される可能性があるかも知れない」
「それはどうして?ランスホース帝国の騎士軍将を殺そうとするなんてそんな馬鹿な話が」
「あるわけないと普通は思いますよね。ですがランスホース帝国も一枚岩では無いのです。ウゼル国王様の2人の子がお互いの派閥を率いて功を競い合っています。私は国王様の命を受け、聖騎士であるアーサー殿の軍に所属していました。もう1人の子が狡猾なモルドレッド殿です。アーサー殿が表ならモルドレッド殿は裏、国王様が健在のうちは良かったのですが。病気になり寝込みがちになるとお互いがまるで次の国王は俺だと言うかのように功を競い始めたのです」
「なるほどその結果がランスホース帝国の周辺国家への統一戦争というわけか」
「ご存知でしたか。まさかその過程で捉えられた小国の姫を奴隷として魔王国に流していたことは知りませんでした」
「なるほどということはその国王の息子のどちらかが奴隷として売っていたのは確定と」
「いえ、このスレイブはモルドレッド殿の配下であるアグラヴェイン殿のお抱え商人、十中八九モルドレッド殿が魔王と繋がっていると考えるのが妥当なはずなのですがアーサー殿が繋がっている可能性を捨てきれないのです」
「それは何故ですか?」
「スレイブのある言葉に引っかかっているのです」
「ある言葉?」
「えぇ、アーサー殿はモルドレッド殿と組んで、ウルゼ国王様の暗殺を計画している。そのためウルゼ国王様の子飼いである私を排除した」
「それが本当ならありえない話ではないですね」
「えぇですが私の知るアーサー殿がそのようなことを考えているとはとても信じたくない気持ちもあります。はぁ〜私は一体どうしたら良いのか。お先真っ暗ですよ」
「そういうことでしたら僕にお仕えするのはどうですか?」
「私が魔族であるクレオ殿にですか?それこそありえないでしょう。私は誇り高きランスホース帝国の騎士軍将なのですから。魔族の世話になるなど」
「あれ〜エレインさんって約束破るんだぁ。約束破って騎士の風上に置けないんだぁ。一騎打ちに負けたら従うって言ってたのになぁ。あーあ、騎士って約束破る人なんだぁ。僕ガッカリだなぁ」
「うっ。わかったこの魅惑のエレインが貴様を監視してやる」
「貴様だなんてこれから使える主なのに言い方ってあるよねぇ。それに帰れるの帰れないよね。ここに居たらいつか魔王様に見つかって凌辱されちゃうかもね。あーシクシク」
「あーもうわかったわかりました。クレオ様に誠心誠意お仕え致します」
「よろしい」
僕はニコッと笑みを浮かべる。
「スレイブから聞き出せることはもう無いだろう。後はクレオ様の好きにしてくれて構わない」
「良いの?」
「あぁ、私がランスホース帝国に帰るための手土産として捕獲していただけだ。今となっては必要ない」
「出番だよーゴブレット」
「ヘイ」
ゴブレットたちにより皮を剥がされ、肉を削ぎ落とされ、骨だけにされスケルトンにさせられるスレイブ。
一度にこんだけの恐怖を味わったやつは居ないだろうそれも生きたまま。
今まで奴隷にされた者たちの気持ちが少しでもわかっただろうと思いたいことだ。
肉と皮を鞄に収納して撤収準備をしていると話しかけられる。
「この度はエレイン様をお救いくださりありがとうございます」
「モネさん、ちょうど良かった1つ確認したいことがあるんです」
「なんでしょう?私にわかることであれば」
「ここで働いている奴隷たち全ての隷属の首輪を外して解放できるとしたらどうしたいですか?」
「えっそのようなことが可能なのですか?」
「あの隷属の首輪が外せるのか私のもか?」
「エレインさんの首には隷属の首輪なんてついてないよ。あっそうか。認識解除」
僕がそういうとエレインさんも困惑していた。
「エレインさんはね。モネさんの魔法で守られてたんだよ秘密裏に」
「貴様も魔族であろうどうして?」
「そうでしたね。認識解除。これでどうですか?」
「まさかその姿はアンブロシウス様によく似ている」
「父のことをご存知なのですか?」
「父だと。なるほど国王様から聞いていた。『兄が魔族であるサキュバスの女を守って死に、そのお腹には子が居た。その子は今も生きている。大事な兄の子だ逢いたいが決して会うことはできない。ランスホース帝国が揺らがないために』と。よくご無事であられました王女様」
「その呼び方はやめてください。私はここで奴隷たちを力のない私なりに守ることしかできないただのサキュバスです」
「それに叔父上様のお話を聞けて嬉しかったです。ありがとうエレイン様」
「エレイン様などと呼ばないでください。国王様より逢うことがあればくれぐれも頼むと言われました。なるほど全ては縁だったのですね。私は誠心誠意クレオ様にお仕えしこの街にも足繁く通い王女様を守ると誓いましょう」
「ありがとう。ではエレインと私も呼びますから貴方も私のことはモネと呼び捨てにしてください。私と貴方は主君の関係ではなく対等な友達としてお願いします」
「そこまで言われては無碍にもできません。わかりましたモネ」
「フフフありがとうエレイン。話が脱線してしまいましたね。それで隷属の首輪を解除できるという話でしたが。もう少し詳しくお聞きしても構いませんか?我が家に来てください」
「えぇ、わかりました参りましょう。シュテン隊とダスティル隊を残して他の皆は先に撤収せよ」
皆が返事をして帰っていく。
さぁこの街の解放だ。
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