第9話 来訪者⑤
【クレオ視点】
「クレオ殿、我らオーガ一同、お支えするべく馳せ参じました」
「オーガ005君、歓迎するよ」
「005から聞いているクラス対抗戦にてクラスを率り巧みな戦術によって1人の脱落者も出さずに勝ち抜き優勝を勝ち取った稀代の名軍師だそうだなぁ。我らオーガ一同そのような御方に仕えられること光栄に思う。これからよろしく頼む」
「大袈裟ですよ。皆が信じてくれたおかげです」
「謙遜なぞせんでもよかろう。俺をあそこまで巧みに使いこなす奴なんて初めてだぞ。この暴れ鬼と恐れられていたこの俺をなぁ。ガハハ。それゆえ誠にお主のことを気に入ったのだ。皆を説得しお支えしたいと思うほどにな」
「でもオーガ005君たちがきてくれて嬉しいよ。これから仲間になるんだ。識別番号で呼ぶのは嫌だから名前をつけても構わないかい?」
「クレオ殿より名前を貰えるなど望外の喜び。是非」
「では、オーガ005よ。今より名をシュテン・キドウと名乗るが良い」
「はっ。このシュテン・キドウ、クレオ様の敵を粉砕する剣となろう」
「よろしく頼むねシュテン。部隊名は鬼出電入なんてどうかな?」
「部隊名?」
「うんオーガ軍団の名前なんだけど」
「ほぅ。確かにそのようなものがあった方がわかりやすいですなぁ。ちなみにどう言った意味を持った名なのですかな?」
「鬼神のように自在で稲妻のように早く現れるって意味なんだけど」
「ガハハ。オーガが鬼神ですか。その期待に応えられる活躍をお約束いたしましょう」
この後、鬼神の如き活躍で敵陣を粉砕し陥落させた陣の数は数知れず鬼出電入の軍団長、陥神のシュテン誕生の瞬間である。
「気に入ってくれたのなら良かったよ」
「もう間も無くあの妖艶女もくるだろう。そしたら晴れて全員集合だなぁ。盛大な宴を楽しみにしているぞ。我が殿よ」
「妖艶女ってコボルト610さんか。なんやかんやあの時の皆んなが僕の街の住人になるなんて不思議な気持ちだよ」
「そんなこともあるまい。殿はそれだけの才覚と強者に抗う力を我々に見せつけてくれた。どうせ死ぬ運命なら魔王よりも殿をお支えしたいと思う馬鹿者どもがそれだけ多かったということよ。ガハハ」
「皆の期待に応えるためにもこれからも頑張らないとね」
オーガたちの家を作り始めた。
男女の若いカップルが5組の10名なので家をそれぞれに作ろうとしたがオーガはみんなで子育てをするとのことなので大きい家に男女それぞれ2人部屋を5部屋と子育て用の部屋、食事ができる部屋とトイレを設置した。
「クレオ様〜コボルトたちとアリッサが喧嘩してる。マジヤバみなんで早く早く」
「なんだって」
僕はメルの言葉に驚きながらセキトに跨り向かった。
着くと決着がついたのかアリッサとコボルト610さんが握手していた。
「いやぁ、強いわねぇ。魔族領で獣人族なんて見たから思わず襲いかかっちまったけど完敗だよ」
「当然です。私はクレオ様の妻で護衛隊長なんですからね。こちらもいきなりの不意打ち驚きはしましたが見えているのに認識できないのは初めての経験でした。良い鍛錬ができました」
「そう言ってもらえるとありがたいねぇ。それにえっ御館様の妻?」
「えぇ、私はクレオ様の妻アリッサ。クレオ様の妻たちと共に護衛及びそのものたちの纏め役を務めております」
「これは知らぬこととはいえ我が頭領が迷惑をかけた。すまぬ。我々はクレオ殿にお仕えするべく参ったのだ」
「なんとお客様だったとは、わかりましたここでお待ちください呼びに行って参りますので」
「その必要はないよアリッサ」
「これはクレオ様、お見苦しいところをお見せして申し訳ありません」
「気にしないでアリッサもお勤め御苦労様。戻って良いよ」
「はい。それでは失礼致します」
「コボルト610さん、ようこそ歓迎するよ」
「御館様、我らコボルト一同お仕えするため参りましたわ〜」
御館様だなんて呼ばれ方すると現実世界でたくさんの忍びを抱えていたとされる有名人を思い出すなぁ。
「コボルト610さん、仲間になるなら識別番号で呼びたくはないので名前を付けさせてもらっても構わないかい?」
「御館様から名前を頂けるなんて、嬉しい限りですわ」
「では、コボルト610よ。今より名をアラン・ナミと名乗るが良い」
「私、アラン・ナミは御館様の影となることを誓いますわ」
「よろしくね。アラン」
仕事の時は影らしく別の名であるアラナミと呼ぶ。
妖艶なくノ一アラナミ、良い響きだよね。
「部隊名は影迹無端なんてどうかな?」
「部隊名までもらえるなんて嬉しいですわ。どう言った意味なのですか?」
「手がかりや痕跡が何もないことって意味なんだけど」
「影となり御館様を支える私たちが手がかりや痕跡を残るわけにはいきませんから良い部隊名ですわね」
この後数多くの戦場での情報を操作する影迹無端の軍団長、無音のアラナミ誕生の瞬間である。
「気に入ってくれて良かったよ」
コボルトたちの家を作り終えた後皆で集まり歓迎と懇親会の宴を開催した。
「クレオ様〜スイーツは?」
「もちろん出すから安心してよアリッサ」
アリッサたちはスイーツと紅茶で優雅に過ごしながらみんなと話してる。
「御館様〜肉のおかわり」
「はいはいアラン持って行くから待っててね」
「この葡萄ジュースとやらのおかわりを」
「ワインね了解、待ってくよダスティル」
「このイチゴ牛乳とやらも」
「了解だよサモン」
「フレイムと私にはこの一つの飲み物を2人で飲むっていうアベックドリンクください」
「ハピネス、嬉しいボン」
「はいはーいアベックドリンクね」
「このチキンのトマト煮込みのおかわり〜」
「了解だよシーザー」
「この唐揚げとやらおかわり」
「ハハハゴブリットたちは唐揚げが気に入ったみたいだね了解」
「この透き通った透明な飲み物ください」
「あっ日本酒だね。メデイア気に入ったみたいだね了解」
「このコリコリしているこれおかわり」
「軟骨揚げだね。ロッキー了解」
「ハハハ他種族と飲む酒や食い物がこんなに美味いのは殿と出会ってから知った。これからも我々をお導きくだされ」
「シュテン、ひとつ聞いて良いかい。アランも来ることがわかっていたよね。ひょっとして僕のために何かした?」
「ガハハ。俺は何も難しいことはしていないさ。ただ皆の背を押してやっただけだ」
「ありがとうね」
「俺たちはこれからも殿のために働く。殿は我らをいい方向に導く。そしてたまに宴を開くそれで良いのだ。ガハハ」
「精一杯皆を守るために知略を尽くして頑張るよ」
みんなで和気藹々と大いに食べ飲み一晩中騒いだ。
やっぱり女子たちはスイーツがお気に入りらしく最初は警戒していたアランやメデイアも一口食べると蕩ける〜とか言ってお代わり求めに来ていた(笑)
楽しい宴も終わり数日後、そんな僕たちの元に早速王都に放ったアランの部下からある情報がもたらされたのだ。
ここまでお読みくださりありがとうございます。




