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魔族に転生したので魔族の頂点を目指したいと思います!  作者: 揚惇命
1章 転生と吸血鬼を取り巻く情勢

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間話 囚われの龍解放戦線

時は純血(純潔)戦争が決着する少し前に戻る。


キラージャッカルのポーチ、スカウトバットのバットン、ラットモーグルのネズモグは囚われの龍ドラマリアを助ける密命を主人であるレオンダイトから承った。


【従魔視点】


「我は攻撃と揺動を担う。偵察と敵感知をバットン、進軍路と撤退路をネズモグに任せる」


ポーチがバットンとネズモグに指示を出す。


2人が揃って「了解した」「了解なのら」と返事をする。


スカウトバットは偵察に優れ感知されにくい。


ラットモーグルはどこでも穴を掘ったり埋めたりすることができ撤退路の構築が容易だ。


キラージャッカルはその凶暴さで恐れられている。


バットンの部下たちから主人の方の戦場報告が上がってきたようだ。


それを受けバットンが最終指示をポーチに指示した。


「ポーチ、ネズモグ、主様の戦場はもうすぐ片付くそうです。我々もすぐに動きましょう。ポーチの攻撃と揺動を合図に地下から忍び込んだネズモグがドラマリア様を救出して、我々の待機する森にお連れする。ポーチはある程度暴れたらそのまま戦場を離脱合流地点はステテコ山脈。ここからなら1週間ほどで着くでしょう」


「御意」「了解なのら」


ポーチは頷くとすぐに魔王軍所属の兵たちに威嚇しながら突撃していく。


ネズモグは頷くと潜って王城の牢屋までのルートを進軍する。


【ポーチ視点】


「おい何でこんなところにキラージャッカルの群れが居るんだよ」「たっ助けてくれ〜」「まだ死にたくねぇ」


兵士たちが驚き四散するがそれを執拗に追い立てどんどん恐慌状態に陥し入れる。


ある程度のところで親衛隊が出てきて対処しようとしてくるがそちらは威嚇からの噛み付きで武器を奪っていく。


ある程度の時間そこで睨み合いをし続けるとバットンの部下から作戦成功との伝令が届くそれを合図にポーチはキラージャッカルたちに撤収を命じる。


それを見た兵士たちは追いかける気力すら残っていなかった。


【ネズモグ視点】


順調に掘り進めながらバットンの部下の偵察結果を聞いたネズモグは兵士がポーチに釣られて全軍出撃し監視のいなくなったガラ空きの牢屋に到着する。


「ドラマリア様、我が主レオンダイト様の命を受けお助けに参りました。従魔のネズモグなのら」


「まぁレオンダイトがそれはありがとうございます。それにしてもあらあら可愛いラットモーグルですね」


身体中に傷跡ができているが優しく気品のある声でネズモグを撫でる。


「くすぐったいのら」


「あらあらごめんなさいね」


クスクスと笑いながらネズモグの作った穴に入る。


ネズモグはそれを見届けるとドラマリア様の後方から掘った穴を埋め直しながらバットンの待つ森まで撤退する。


【魔王軍視点】


全く鍵も開いてない牢屋からドラマリア様だけが消えるという謎の現象が発生した。


そんな報告を受けたドラゴレアム丞相はすぐに牢屋に向かったがそこに居たはずのドラマリアは居ない。


「これはいったいどういうことですか?外ではキラージャッカルの群れが突如として襲いかかってきたとそれを追い返すために全軍出撃したのはわかりますが何故牢屋にいたはずのドラマリアが居ないのですか?」


「我々にも全くわからなくて」


「どんな警備をしていたらこんなことになるんですかねぇ。あなた方は揃いも揃って馬鹿ちんですか?とっととドラマリアを探して連れてきなさい。見つかるまで決して帰ってきてはなりませんよ。ホッホッホッ」


ドラゴレアム丞相は笑っているが決して笑っていられる状況ではない。


だが龍に変化する際の翼には穴をあけておいたので飛ぶことはできないでしょう。


そう遠くには行っていないだろうと楽観的であった。


【バットン視点】


「ネズモグよくやってくれましたね。ドラマリア様、ご無事で何よりです。我が主からステテコ山脈に案内するようにと言付かっております」


ネズモグは得意げな顔で頷き。


ドラマリア様は私を撫でながら。


「レオンダイトがステテコ山脈にねぇ。なるほどねぇ〜それよりもあらあら可愛いスカウトバットちゃんね。ヨシヨシ」


「くすぐったいです」


兎にも角にも救出を迅速に成し遂げれて良かった。


【レオンダイト視点】


従魔からドラマリア様の救出に成功したとの知らせを受けたのはエルフェアリーナ王国でのリリアとの盛大な結婚式を終えラーキア城に戻った直後であった。


「バットンの部下だな。伝令御苦労様」


僕はそういうとリリアとアーロンとバルバラ、それに病み上がりだがウルファスを連れステテコ山脈に向かう。


ステテコ山脈に着くとポーチとバットンとネズモグをこれでもかと撫でまくるドラマリア様が居た。


「あらあらレオンダイト、こんなに可愛い従魔たちだけに私の救出を頼むなんて私を萌え死にさせる気かしら」


クスクスと笑い一見元気そうに見えるがその身体を傷だらけで翼は穴が空いている痛ましい姿だった。


「ドラマリア様、僕の救出が遅れたばかりにそのような傷を負わせてしまい申し訳ありません。御子は無事ですか?」


ドラマリア様は先代の魔王様であるデモンズ様の子供を密かにお腹に宿していた。


このことを知っているのは魔王軍で僕唯一人だけである。


そのこともありどんなことをしてでも必ずお助けしようと動いていたのだ。


「大丈夫よレオンダイト。デモンズとの子供は気づかれもしていないわ。それにこの子は聖龍族として育てるつもりよ」


本来悪魔族である魔王の側近の龍族は邪龍族なのだがドラマリア様は聖龍族でありデモンズ様が人間国で見初め寵愛なされたのである。


「それならば、良かったです。ドラマリア様、ステテコ山脈の谷底にて捨てられる子供を保護する集落を築いてもらいたいのです。それは誰よりも慈愛に満ち溢れ聖龍族でありながら魔王様との子を宿しているドラマリア様にしかお願いできぬことなのです」


僕は決意を込め呟いた。


「わかりました。私もこの谷底に捨てられる子供のことを考えない日はありませんでした。私でよければ立派に務めを果たさせていただきましょう」


ドラマリア様の了承の言葉を聞き僕はもう一つお願いしたい事を伝えた。


「キーン婆やは、いつも僕のことを気にかけてくださいます。ですがこのままでは遠くない将来魔王様から疎まれるかもしれません。そんなことになった際この谷にてキーン婆やを保護してもらいたいのです」


ドラマリア様は笑顔を向け呟く。


「キーンを貴方のお父様に紹介して良かった。それにキーンは悪魔族の中で珍しい不死者なのです。私と同じ時代を生きていますからもう450年ですね」


それを聞き不思議と納得していた。


「あらあら驚かないということはそんな気はしていたって事かしら。つまらない反応ねぇ。あら、後ろで隠れている美人なエルフちゃんは誰かしらレオンダイト」


僕の後ろに隠れていたリリアの方を見たドラマリア様が尋ねる。


「僕の生涯唯1人の妻で名をリリアと言います」


それを聞いたドラマリア様は笑顔になる。


「あらあらこんな美人ちゃんを引っ掛けるなんてレオンダイトも隅に置けないわね。レオンダイトのことよろしくねリリアちゃん」


「こちらこそよろしくお願いしますドラマリア様。レオンのことは私の一生をかけて慈しみ愛します」


リリアの言葉を聞き真っ赤になった僕を見て微笑ましい顔をするドラマリア様であった。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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