第19話 純血(純潔)戦争④
【レオンダイト視点】
ウルファスはまだ目覚めないだろう。
この怪我だ吸血鬼へと変化するために半日〜2日眠り続けるかもしれない。
明るいところではなく暗いところが好ましい。
今は予備のマントを被せて暗くしているが一刻も早くラーキア城に帰るべきだろう。
「リリア殿、純血戦争の終結を共に宣言してくれますか?」
僕は晴れやかな笑顔を向け呟いた。
「えぇ、レオンダイト殿。純潔戦争は私たちエルフの負けです。私が貴方と共に城に向かい戦後処理の話し合いをするということに致しましょう。エルフを守ろうとしたとの話を詳しくお聞きしたいので。それにお互い純潔(純血)戦争ってこの戦いを呼んでいただなんて」
クスクスと笑いながらリリア殿が頷いた。
2人で戦場を見渡せる丘に向かい。
「吸血鬼たちよ。この戦いここまでとする。剣をおさめよ」
「エルフたちよ。この戦いはここまでよ。剣をおさめなさい」
2人の大きく透き通る声が戦場全体に届き双方共に武器を下ろしようやく純血(純潔)戦争がひとまず終結した。
主要なメンバーが一同に集まり戦後処理について簡単な話し合いをする。
ラス殿はリリア殿と護衛にミーア殿を残し他のエルフたちを連れてエイミー女王陛下へ報告をしに帰っていく。
リリア殿は僕の横を歩き、ミーア殿はダルタンの横を歩く。
えっそれ護衛の意味なくない。
それにミーア殿の顔がまるで恋する乙女のように真っ赤でダルタンの腕にしがみついている。
魅了のダルタン、、、エルフの女騎士殿にも発動しちゃったのね(笑)
もう片方側を歩き同じように腕にしがみついてるイリスはミーア殿を睨んでるけどね。
ダルタンはどうするんだろうね(笑)
「先程お見せしたのでもう良いでしょう」
僕はそういうと闇の転移魔法を使いラーキア城に転移した。
「こんな事ができるなんて」
全員が驚きながら今起こったことを思い返していた。
ラーキア城に着くとアーロンとバルバラが出迎え担いでいたウルファスを見て驚愕の声で呟く。
「レオンダイト様、肩のウルファスは大丈夫なのかぁ」
「兄貴、ウルファスは大丈夫なのか」
「無事だ。それよりもウルファスを棺桶で寝かせるぞ」
僕は2人にそういうと2人とも意図を理解したらしく何も言わずにウルファスを外の音も聞こえずこちらからしかあけることのできない安眠室に運んでくれた。
僕はリリア殿とミーア殿に執務室にて最終確認の戦後処理の話し合いをするということで他のものにはここで解散を言い渡した。
ところがミーア殿がダルタン殿の腕から離れずこちらを見て呟いた。
「私はダルタン様の眷属になりたいのにゃ」
それを聞いたリリア殿が驚きながらも指をモジモジさせながら呟く。
「ミーア貴方何言ってるの私だってできることならレオンダイト様の眷属になりたいのに」
いやいやリリア殿何言ってるのすごく嬉しいけどというかそれ多分この問題一気に解決できるかもしれないのだけど僕から言おうと思ってたことをリリア殿から逆告白されるなんて。
「ダルタン、お前はどう思ってるんだミーア殿のこと」
僕は咳払いをしてリリア殿のことは一旦置いといてダルタンに尋ねる。
「そりゃイリスが許してくれるならよぉ。こんな可愛くて戦える女が眷属になってくれるならありがたい話だぜ。でもよイリスがなぁ」
そう呟いて隣のイリスを見る。
イリスに丸投げの姿勢だ。
イリスは覚悟を決めた声で呟く。
「ダルタン様がここまで申しているのなら私に断る権利はありませんよ。ミーア殿これからよろしくお願いします。ですがダルタン様の1番は譲りませんよ」
それを聞いたミーア殿が負けずに言い返す。
「共にダルタン様をお守りしましょうなのにゃ。ですが先に御子を産むのは私なのにゃ」
2人の目からバチバチと音が聞こえそうだ(笑)
ということでミーア殿はダルタンが連れて行った。
こっちは解決だなとリリア殿の方を向くといないと思ったら僕の隣に来て指を絡ませ耳元で囁く。
「レオン様〜私のことを無視するなんて酷い人ね。お仕置きね」
ほっぺにチュッとキスされる。
それはお仕置きじゃなくてご褒美ですと顔がニヤける。
「リリア殿の提案はとてもありがたいです。これから僕が話すことを聞いた後でもその気持ちのままなら僕と共に永遠に生きてくれますかリリア」
僕はリリアの思いに応えるため告白した。
リリアの顔はみるみる真っ赤に染まり頷くのが精一杯のようだった。
リリアと執務室に入り、僕は魔王のドレッドからエルフの国を滅ぼすように言われたこと。
丞相のドラゴレアムが模擬戦を利用して故意にエルフの国から金銭を巻き上げようとしたこと。
敬愛する先代丞相のドラマリア様が投獄されていてそれの救出のため敢えてこの戦争を利用したことなどを話した。
リリアは一通り聞き終わると涙を流しながら呟いた。
「そんなに辛いことを命じられていながらレオン様はエルフの国も守ろうとしてくださっていたのですね。それなのに私はその想いに気付くこともできずにレオン様をいっときでも疑ってしまった。初めてお会いした時から密かに恋慕していたのに」
僕はリリアを抱き寄せそっと額にキスをする。
リリアは真っ赤な顔をしながら僕を見つめて呟く。
「私をレオンの妻としての唯1人の眷属にしてくれますか?私すごく嫉妬深いと思う。大好きなレオンに他の吸血鬼のように他の女が居たらきっと殺してしまいそうなぐらい」
僕はリリアの言葉を聞き耳元で囁く。
「僕もねリリアに初めて会った時に恋慕してた。僕の好みの相手を誰にも渡したくないって。それにね僕は妻のたくさん居た父のそのだらしなさだけは嫌ってるんだ。僕からもお願いしたい。リリア僕の唯1人の妻として永遠に生きてくれますか?」
リリアは顔を真っ赤にして嬉しそうな声で「末永くお願いいたしますねレオン」と小さく頷いた。
こうしてエルフェアリーナ王国との純血(純潔)戦争は完全終結した。
ここまでお読みくださりありがとうございました。




