幕間 妖精それとも神様?
「御苦労だったなミルル」
そう言い現れた優しさの滲み出る風貌の男性は人から神様に昇華された珍しい御方で、世界を作る神様の1人でミルルと呼ばれた私の上司でもあります。
「セイント様が新しく作った世界とは言えあんなに大盤振る舞いしてよかったのでしょうか?」
ミルルは恐る恐る聞いてみた。
「ミルルの意見はもっともであるがあの世界は作ったばかりで言ってみれば群雄割拠でありそれが故に虐げられる者の多い世界でもあるそんな中それを無くすために魔族の頂点を目指すなんて面白そうだとは思わんかハッハッハッ」
そう言い切りそれにあいつには「今度こそ幸せになってほしいからのぅ」と聞こえないぐらいの小さな声で呟いた。
しかしそれを聞き逃さない。
それに聞いたことがあります。
人から神様に昇華なされた人には人として過ごした記憶も残っているのだとか。
ということはあの落ちてきた人間はセイント様に関わりのある人だったということでしょうか?
ますます謎です。
深く考えてはいけませんね。
ミルルとしてやらなければいけない仕事はしたのですからどーんと構えときましょう。
「それにしても彼独自の固有スキル2つに最高レア相当のアイテム2つに吸血鬼とハイエルフの固有スキルはいくらなんでもプレゼントしすぎでしょう」
と怒りながら言ってみたミルルは悪くないわよね。
するとセイント様は「どうしたミルルそんなに怒ってハッハッハッ、それに神言のスキルを与えるなんてな対応するのはミルルなのだから仕事が増えるのはミルルなのにのぅ。仕事嫌いのミルルがお節介を焼くとはのぅ。ハッハッハッ」と言われた。
「えー神言ってセイント様が助言するんじゃ無いんですかーーーー」と叫んだミルルは悪く無いよね。
絶対悪くないよね。
それにあの落ちてきた人間は虐げられる者の居ない世界を作るために魔族の頂点を目指そうとしてたのか。
えっそれって「魔族の時点で難易度高くない何回か呼ばれる未来が見えるんですけどーーーー」しかもそれを知ってたということはセイント様が最後にあの人間の声を聞き届けた神様って事になるよね。
「厄介ごとは全部私に丸投げですかーーーー」
何度も声が枯れるまで叫んだミルルの隣でセイント様は何度もハッハッハッと笑いながら最後に一言だけ「ミルルでもどうにもできんことならワシがミルルに助言するから1つあいつのこと頼むよ」とほんと隣の神様に対して仕事を増やされたことに対して殺意が湧いたミルルは悪く無いよね。
せっかくサボれると思ったのになぁ。
すぐ呼ばれるよなぁ。
赤ちゃんスタートなのだわとか言ったからどうしたら良いんですかとかすぐ呼ばれる未来しか見えないのだわ。
ほんと厄介毎の塊なのだわトホホ。
ここまで読んでくださりありがとうございます。