40年越しに納得した時をかける少女
まだライトノベルと言う言葉がなかった時代、少年少女向けの小説がジュナイブルと呼ばれていた頃、筒井康隆氏によって著された「時をかける少女」という小説があります。
原田知世主演で映画化され大ヒットしたのでご存知の方も多いと思います。
(お湯をかける少女というパロディCMもありましたが)
私が読んだのは角川文庫版だったかと記憶していますが昔のことなので間違っているかもしれません。
(同時収録されていたパラレルワールドものの短編が、私がパラレルワールドという概念に初めて接した作品でもありました)
それで、何が言いたいかと言いますと、時をかける少女の中でどうしても納得できない部分があったのですよ。
それは未来から来た少年が女主人公である少女のいた時代に来た理由が、「この時代が一番いい時代だから」(意訳)というのがおかしいだろうと。
当時は金はなくても夢があるというか、今日よりも明日・明日よりも明後日は必ず良くなると漠然と信じていたから現在よりも未来の方が絶対にいい時代になっていると根拠もなく思っていたものです。
だから未来から来た少年が女主人公視点での現在の方が幸福な時代というのがどうにも納得できなかったのです。
あれから40年ほどたった現在、もしもタイムスリップできるなら1970年代に行きたいと心底思います。
今の時代の閉塞感はもとより過去を振り返っても70年代から80年代をピークに時代が悪い方に転がってきているように思えます。
落ちの無いなはしですいませんが
今になって、タイムスリップした少年が1960年代後半から70年ごろの日本を選んだ理由がしみじみ納得出来たという話でした。