第98話 フラウとアーニャ②
フラウ君が超覚醒した…
「自分の主人を小娘呼ばわりするなんて……。余程死にたいらしいわね!」
「い、いや!そう言う訳じゃありません!!でも話の流れってあるじゃないですか?そう言うのってやっぱり大事じゃないですか!?」
「…まあ、そうね。じゃあ、試しに流れのままに喋ってみて?」
「………本当にネチネチとうるさいガキだな。お前みたいなクソガキは俺と話せるだけでありがたく思えってんだ!まあ良い、今の俺はすこぶる気分が良い!いくらちんちくりんなお前でも泣きながら頭を地に着けてひれ伏せば、少しくらいなら俺を楽しませられるんじゃないか!?ギャーーハッハッハ♪……あれ?待って!心の声が!?」
「………そう。それが貴方の遺言なのね♪」
「いや、違っ!?ま、待てよ…大丈夫な筈だ!俺は超覚醒したんだから!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
私の魔力に呼応して大気が震えている。
屋敷の壁や屋根が軋みを上げ、鳥や虫などが逃げ惑っている。
「ひいいいいい~!!!……だ、ダメだ!これじゃ今までと同じじゃないか!気合いを入れろ!!うおおおおおおお!!!」
「あら?少しくらいなら壊れなさそう。楽しみだわ♪」
「あ、悪魔め…」
こうして私とフラウ君の戦いが始まった。
………
……………
…………………
「あら?」
フラウ君を地面にめり込むまで殴ってたら、いつの間にか姿を見失ってしまった。
土煙が凄くて前が見えなくなっちゃったのよね。
取り敢えず、私もフラウ君と距離を置いて頭を冷やした方が良いわね。
何処に行ったかは分からないけど、その内戻って来るでしょうから、普通の猫を用意しておきましょう。「この猫がアーニャよ!」と言えば大丈夫な気がしてきたわ。
フラウ君の部屋に戻ると、アーニャは何もする気が起きないのか、死んだように横たわっていた。
「ねえ、ハシュタット!元の姿に戻りたい?」
「!!!」
私の声に過敏に反応し、瞬時に猫流の直立姿勢になった。
「反省したかしら?もう暗殺なんてしないと誓えるなら、魔王に頼んで猫耳と尻尾を外してあげるわ!」
ハシュタットは、首がもげるんじゃないかと言う勢いで首を縦に振り続けた…
「我の命令を無視したのだ。殺されなかっただけでもありがたく思え!」
「でも、あれは死よりも辛い状況だったから、あまり彼を責めないであげて」
「アーシャの慈悲に感謝するのだな!まだ四天王の席は空けてある。皆からの信頼回復に努めよ!」
魔王を部屋に喚んで、接着魔法を解いて貰った。
そして、魔王がハシュタットに今回の件の苦言と有難いお言葉をかけているのだけれど、彼は元に戻れた嬉しさからずっと号泣し続けていた。たぶん今は何を言っても無駄だわ…
~その後、彼はこの度の体験を経て生命の大切さを知り、後世に残る偉大な四天王として成長するのだが、別に誰も興味は無いと思うので割愛しよう~




