第96話 ~そして日常へ~
ティファを迎えに来た。
夜だったので皆で食事中の様だ。
「あっ、お姉ちゃんおかえり!」
「ただいま、ティファは?」
ティファは床でぐったりとしていた。
袋だから表現しにくいんだけど…
もしかして、こっちの世界には魔素が無いから魔物にはきつかったのかしら。
「ご主人様。お腹痛いです…」
「さっきお母さんが、自分の持ってるアクセサリーとティファちゃんの装飾品を交換してたよ!」
「ちょっと、美来!人聞きの悪い事言わないで!トレードよトレード!」
確かに良く見ると、ティファの周りに浮かんでいる宝石や装飾品が劣悪品に変わっている。
「あっ、おい!あれって結婚指輪じゃないか!?」
お父さんが急に叫び出した。
「だって、あなたの月収3年分くらいの指輪があったんだもん!」
「3年分だと…!?」
驚く所はそこじゃないわ!自分の妻の奇行に驚きなさいよ!!
取り敢えず、全部元に戻した。
ついでにダンジョンで手に入れた宝石を追加投入しておいた。
「ああ、3年分が……」
「3年はもう良いわよ!お母さん!あんまり酷い事すると呪いを解くからね!!」
「!!!そ、それだけはご勘弁を!これからは全うに過ごすから!!でも、鈴木くんとプライベートで会うくらいなら…」
「ダメよ!!」
「おい、鈴木って誰だ!!」
「何よ!あなたには関係無いわ!!キャバクラのアケミちゃんにご執心のくせに!!!」
「何故それを!?」
「名刺が内ポケットに入ってたわよ。しかも何回も!」
「キャバクラはお金を払って行ってるから浮気じゃないぞ!」
「じゃあ、私も浮気じゃないわ!本気よ!!」
「なっ!?」
何で私達は急に夫婦喧嘩を見せられているのかしら?
「美来、あなたからも何か言ってあげて…」
「どっちもどっちじゃない?」
違うわ!いや、違わないんだけど…
この子は何故か達観してるわね。
「このままじゃ離婚しちゃうかもよ」
「そうなったら、お姉ちゃんと一緒に異世界に行くよ!そこでイケメン掴まえて…うへへ♪」
我が妹は強かだった!!
「お父さん、お母さん!仲良くしないと美来まで居なくなっちゃうよ。それでも良いの?」
「美来…」
「お父さん達は別に喧嘩してたわけじゃないぞ!ただ事実の確認をしたかったんだ!」
「私は別にどっちでも良いけど…」
美来はイケメンの事しか考えていないようだ…
「とにかく、喧嘩はしないこと!お母さんは大人しくしててくれたらクーンの呪いを移してあげるわ!」
「……不老!!?」
クーンは呪いを嫌がってたから喜んで差し出すだろう。
「あなた、ごめんなさい!私が悪かったわ。許してくれる?」
「あ、ああ…」
お母さんの態度が豹変したので、お父さんは戸惑っていた。
「お父さんにも向こうの若い侍女?を紹介するわ。晩酌やお背中流しにも対応可よ!」
「本当か!?」
リイルなら問題は起こらないだろう。
そう、問題は起こせないのだから!!




