第95話 魔物の巣 エピローグ
ダンジョン攻略を終え、屋敷に戻ってきた。
ダンジョンボスである魔王を連れて…
「頼まれたんなら居なくて良いの?」
「どうせ誰も来ないであろう。高難易度ダンジョンも考えものだ」
確かに、訪れる者が居なければ退屈で仕方ないだろう。
ダンジョン内で弱肉強食の食物連鎖が発生しているならその限りでは無いだろうが、あのダンジョンに関しては全く見受けられなかった。
「アーシャ。ちょっと外を飛んできても良いかな?」
羽で飛べる様になったエレンちゃんがうずうずした感じで聞いてきた。
屋敷の周りなら問題ないだろう。
「余り遠くには行かないでね」
「うん、分かった♪」
「我も付き添おう。危険が無いかフォローしなくてはな」
「そうね、ありがと」
「マオーさん、ありがとうございます♪」
~この日、クインハルト家の屋敷周辺で天使を見たと言う目撃情報が多発した。その神々しさから祈りを捧げる者まで現れ、信心深い者達から聖地として崇められる様になった~
「この宝玉貰っても良いの?」
「2人でダンジョン攻略したんだし、きっと宝玉もエレンちゃんに使ってもらった方が本望だわ」
私が使うとなると邪な考えしか浮かんで来ないから…
「ありがとう!何が良いかな~♪あっ、そうだ!」
「ちょっと待ってエレンちゃん!願い事は自分の為に使ってね」
「え~。アーシャに素敵な男性が現れます様にってお願いしようとしたんだけど…」
「素敵な男性…」
私がふと魔王の方を向くと、魔王は既に居なかった。
「あれ、魔王は?」
「マオーさん、一瞬で消えちゃったよ」
「何か急ぎの用事でもあったのかしら…。でも、エレンちゃん!自分の相手は他人から用意されるものではなくて、自分で掴み取るものよ!」
「!!私、考え無しだったかも!ごめんね…」
でも良く考えたら私も貴族なので、政略結婚の可能性も0では無いだろう。特に殿下とは婚約までしていた訳だし。
まあ、中身は私だから相手は好きに選ばせてもらうけど!
相手の了承?…何それ?おいしいの?
「とにかく、エレンちゃんが欲しいものやしたい事に使ってね」
「うん、分かった♪」
「じゃあ、ダンジョン攻略記念に、私からもエレンちゃんにプレゼントよ!」
「ええ!これって…」
「そうよ!携帯ゲーム機よ!これでいつでもぷよぷよが出来るわ♪ソーラー電池の充電器付きだから故障しない限りずっと遊べるわよ」
「!?アーシャ!ありがとう!!とっても嬉しい♪」
エレンちゃんが抱き着いてきた。
願いが叶う宝玉を貰った時よりも喜んでるわ…
そう、人に依って欲しいものなんて全然違うのだ。
手に入ったらそれで満足してしまう人もいるだろう。
私にとっては今回のダンジョン攻略自体が目的だったから、十分満足している。
でも、何でも一つ願いが叶うなら……
ああ、やっぱり邪な考えしか浮かんで来ないわ!!




