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第9話 「暇ね……」

「暇ね……」


今日は学園が休みだ。

予定も無かったので、エレンちゃんと遊ぼうとしたら今日はバイトがあるらしい。

暫くは屋敷で寛いでいたが本当にすることが無くなったのだ。


「ねえ、フラウ?」

「何でしょうか?お嬢様」

「お薬を頂戴♪」

「!!!」

フラウ君は慌てて私から距離をとる。


「冗談よ♪もう悪魔は祓われたでしょう?」

「それは、そうですが…」

数日前、お父様が高名なエクソシストを呼び寄せて、本格的にお祓いをして貰った。

勿論、悪魔は私なので祓われる事などなかったが、周りの共通認識として除霊は成功したことになっている。

…誰が悪魔よ!!


「それとも、あ~ん♪してあげましょうか?」

「お嬢様!!」

あら、フラウが怒っちゃったわ。

からかい過ぎたかしら。


「あら、怒ったのかしら?そうね…貴方も私に対する不平不満があるでしょうから、日頃の鬱憤を晴らせるように、この痛くない鞭で私を叩くと良いわ!勿論、怪我なんてしないから叩き放題よ!」

「そ、そんなこと…」

口では否定しているが、目線は鞭に釘付けだ。

そんなに不満があるの!?


「安心なさい。使用人に気持ち良く働いて貰うための私なりの気遣いなの。勿論、今からここで起きた事は私もすぐに忘れるし、他言もしないわ」

甘い言葉を囁いて、フラウ君を誘惑する。

何がしたいのかって?

だって物凄く暇なんですもの!暇が潰せるなら何でも良いわ!


「ねっ!決心が付かないのなら命令しましょうか?」

「い、いえ、分かりました。お嬢様の気遣いを無下には出来ませんので…」

もしかして、私が転生する前から色々と思う所があったのかしら?

案外すんなりと承諾したわね。



どうせやるならそれっぽくした方が良いと思ったので、天蓋付きベッドの柱に私の両手を布で縛って貰った。


「さあ、来なさい!罵詈雑言も合わせて全てを吐き出しなさい!!」

「………いつもいつも、我が儘ばかり言いやがって!この雌豚がぁ!!」

フラウ君が通常であれば一発で首が飛ぶ様な暴言を吐きつつ鞭を振るう。


ピシャン!

ピシャン!!

軽快な音が部屋に響く。


「そ、そんな!?私は貴方に執事として成長して欲しくて…」

「成長だと!?天井のシミの数を数えたり、丸まったダンゴムシを集めるのが役に立つわけあるかぁー!!」

何やらせてるの、前の私!?

でもフラウ君も良い感じにノリノリだわ♪


「ごめんなさい、ごめんなさい!!もう我が儘言わないから!許して!!」

「許してだと!僕がどれだけ堪えたと思ってるんだ!二度と僕に逆らえないようにしてやる!この!この!!」

フラウ君は本気で鞭を振るう。


「やめて!やめてーー!」



ガチャ!


「お嬢様!異様な音がしましたが、何…か……」

異変を感じたキャサリンが勢い良く部屋に入ってきた。

そう言えば鍵をかけ忘れていたわ…


「雌豚は豚らしくブヒブヒ鳴いてりゃ良いんだよ!!」

「ふ、フラウ!ちょっと止めなさい!!」

「僕が止めてと言って止めてくれた事があったか!?僕の気が済むまで泣き喚いてろ!!」

フラウ君!キャサリンが後ろに居るわ!!



ピシャン!

ピシャン!!

鞭の振るう音が部屋に鳴り続けた…







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