第81話 「お姉ちゃん、私もこっちに住む!」
「ひっく…、ぐす…」
美来が戻って来てからずっと泣いている。
単純に怖かったのだろう。
「美来様!申し訳ありません!!」
「ニルのせいじゃないわ。説明してなかった私が悪いのよ」
「ですが…」
「じゃあ、美来を至近距離で見つめてあげて」
「??」
ニルは人型に戻っている。
私に言われた通り、美来の正面にしゃがんで目線を合わせる。
「美来、イケメンが見てるからいい加減泣き止んで頂戴」
「…イケメン?」
「美来様…」
顔を上げた美来とニルの視線が合わさる。
「!!…あう~♪」
美来はイケメンに見つめられると、とっても幸せになれるのだ!
「ニル、今よ!『許して、お姉ちゃん♪』と言いながら抱きついてあげて!」
「はい。許して、お姉ちゃん♪」ガバッ!
「!!!…ああ!世の中のショタコンの人の気持ちが今なら分かる様な気がする!!これがショタの香りなの?こんなの抗えるわけないよ!……ハスハス♪」
ふふ♪美来も堕ちた様ね。美来の歳からしたらショタでは無いと思うが…
まあ、泣き止んだから良しとしましょう!
その後、部屋に食事を持ってきて貰った。
美来はニルに「あ~ん♪」をして食べさせてもらい、大変ご満悦の様だった。
「お姉ちゃん、私もこっちに住む!」
「それはダメよ!美来は学校もあるでしょう?」
「もうこんなの経験したらあんな退屈な所に戻れないよ!」
「じゃあ、こう言うのはどう?美来がテストで順位が上がったら、その都度イケメンを紹介してあげるわ」
「…お姉ちゃん、女に二言は無いわよ!!」
~戻った美来は、その日から何かに取り憑かれた様に勉強を頑張り、学年1位、更に全国模試も上位に食い込む様になった。食事とお風呂と睡眠以外を全て勉強に費やす娘を見て、両親は逆に心配になるのだった~
「今日はありがとう。お姉ちゃん!」
「まあ、たまにこっちに喚んであげるから、勉強の息抜きに楽しみにしておいて」
「約束守ってね!イケメンだよ!!」
「ちゃんとセッティングしておくから心配しないで。勉強頑張りなさい」
「うん♪じゃあね、お姉ちゃん」
美来を召喚で送り返す。
召喚の使い方がめちゃくちゃな気がするが、使えるものは使わないとね!
「ニル、今日はありがとう。美来も喜んでいたわ」
「いえ、ご主人様のお願いですので!」
「ふふ♪ありがと。それじゃあ、今日は一緒に湯浴みして一緒に寝ましょうか?」
「はい!」
どさくさに紛れて言ってみるものだわ。
ニルは何の疑問も持っていない様だ。
その時、部屋のドアが僅かに開いているのが目に入った。
そこから見えるのは…
怒り狂ったお義母様の顔だった!
ひいいい~~~!!!




