表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/160

第78話 「おいしゃさんごっこ?」

警察署の中は厳かな雰囲気が漂っていた。

あまり立ち寄る場所では無いから勝手にそう感じているだけかも知れないが…


生活安全課に行き、捜索願の取下げを申し出る。

今回は失踪者本人が出向いた事により、何個か質問されただけで解放された。


少々呆気なく感じてしまったが、昨今は未成年のプチ家出や夫婦間のDVなどによる失踪での捜索願いも多いらしく、あまり珍しくは無いらしい。

まあ、私としては助かったんだけどね。

あまり根掘り葉掘り聞かれたら、何処かでボロが出ていたかもしれない。


これで憂いも無くなり、晴れて異世界とこっちを移動できる様になった訳だ。

ただ外出の際は職務質問されないように気を付けておこう。



家に残してきた兄ちゃん達が物凄く気掛かりなので、寄り道せずにすぐに家に戻る事にした。


帰りの車中…


「そう言えば綾、あなた学校はどうするの?」

「う~ん。顔も違うし、正直行く暇無いから辞めたいんだけど…」

「分かった。明日退学届を貰って来るわ」

「お母さん、ありがとう」

「良いのよ。綾が帰って来てくれただけで嬉しいから」

「うん」

大学の友達くらいには連絡しておこうかな。



家に帰ると劇的な変化が起きていた!


「そ、そうです!え、エレンさん、上手ですよ!」

「えへへ♪この並べたら消えていくのは爽快感がありますね♪」

「くっ!耐えるんだ俺!へへ、手が震えてやがるぜ…」

エレンちゃんがぷよ◯よをやっていた!!

兄ちゃんが操作方法を教えている様だ。

殆ど気絶していた先程と比べると急成長している。



対して美来は…


「おいしゃさんごっこ?」

「はい!この国では一般的なんですけど、傷を負った人や病気の人とかを治す前に専門家が体を診断するんです。そう言う役に成りきる事で事前に備えておく意味があります」

「予め、起きる物事を予測して不測の事態に備えるか…。中々に興味深いな」

「私がお医者さん役で、魔王様は患者さん役です。では、始めましょう!次の方どうぞ~」

「早速か?…今回は宜しく頼む」

「今日はどうしましたか?」

「ちょっと前に誰かにやられた傷が思ったよりも深くて完治しておらぬ。少々診て頂けるか?」

「はい!では傷を見ますので、上着を脱いで下さい」

「そうか、傷はここだ」

魔王が着ている服の前をはだける。


「はあ、はあ♪こ、これはかなり深いですね!では触診します。ああ!引き締まった体!上質の触り心地!!ぐへへ♪」

「美来殿?」

「ごほん!分かりました。これは回復魔法を掛けながら擦ってやるのが一番です。では失礼して!」

「ああ、頼む。…おお、アーシャ。帰って来ていたのか?」

「チッ。もう帰って来たのお姉ちゃん!無事手続きは済んだ?」

今、舌打ちが聞こえた気が!?

あの純粋で可愛かった美来は一体何処に…



「わあ♪どんどん連鎖していきます!!」

「初めてなのに凄いですよ!耐えろ俺!!手を繋がれたくらいが何だ!!」

「きゃあああ♪30連鎖です!!!」

エレンちゃんは感激のあまり、兄ちゃんに抱き付いてしまった!


「!!!」

「あっ!ごめんなさい。私ったらつい嬉しくてはしたない事を …」

「…………」

エレンちゃんが体を離すと、兄ちゃんは床に崩れ落ちた。

もう、ピクリとも動かない…

今日中の生還は多分無理だろう。


「くっ!そんな方法があるとは!!我もエレンさんに抱き付かれたいぞ!!」


「………」

「………」

「………」


私達3人は、無言でその光景を見つめていた。










評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ