第77話 「これどう?似合うかな?」
着替えてリビングに戻ってきた。
エレンちゃんには袖が長めの白の長袖Tシャツと赤と白チェック柄のミニスカートを着せてみた。髪はシュシュでサイドテールにしている。
いつもとは違う、可愛い系で攻めてみました!!
「…綾なのか?……おかえり!」
「…綾がこんなに可愛くなって戻って来るなんて!」
「…お姉ちゃん!会いたかった!!」
本人を前にして、そのボケは酷いわ!!
それとも、3人の無意識の願望!?
ドサッ!!
兄ちゃんはまたぶっ倒れた…
ふと、魔王を見ると胸を抑えて座り込んでいた!
「ちょっと!どうしたの!?」
「大丈夫だ。胸が苦し過ぎて立てなくなっただけだ…」
「あっ、そう…」
「アーシャ!この服とっても可愛いね♪」
そう言ってエレンちゃんはくるっとその場で一回転した。
「…あ、私も胸が苦しく…」
「…か、可愛い過ぎるわ!」
「…お姉ちゃん。元気だして!」
「…エレンさん。好きだ…」
美来が急に私の肩に手を置いた。
美来の方を向くと、無言で首を横に振っていた。
何かムカつくわね!
兄ちゃんは、大丈夫かな?
……返事が無いただの兄ちゃんの様だ。
「えへへ♪これで私もこの国の人みたいに見えるかな?」
何?この可愛い生物…
マジでヤバイんだけど!!
因みに、私が前にこれを着た時は…
「これどう?似合うかな?」
「ぷは~!やっぱり帰って風呂入ってからの一杯は最高だな!」
「綾達も早くお風呂入ってね~」
「おしっ!星5来たぜ!!」
「あっ!柏木君だ!!いつ見てもカッコいいなぁ~!」
「……………」
今のエレンちゃんと全く同じ格好だったにも関わらずだ!
私はあの日の屈辱を未だに忘れてはいない!!
流石にエレンちゃんを衆目の目に晒すわけにはいかないので、お父さんお母さんの3人で警察署に行く事にした。
国家権力を笠に着てエレンちゃんを手に入れようとする輩が出て来ないとも限らない。いや、疑ってる訳では無いんだけどね。一応ね。
家にエレンちゃん達を残すのは本当に不安なんだけど、そんなに時間もかからないだろうから、意を決して出発した。
勿論、出発前に魔王に顔を元の綾の顔に変えて貰った。
「こうして見ると本当に綾なんだな」
「帰って来てくれて本当にありがとう。おかえりなさい、綾」
不意に言われて、私は思わず泣いてしまった。
お母さんが暫く頭を撫でてくれた。
警察署に着いた…
「上手くいくかしら?」
「騙してる訳では無いから大丈夫だろう。戻ってきた経緯は打ち合わせ通りにな」
「お母さん大丈夫だよ。どこの世界でも、交渉が決裂したら後は力と力のぶつかり合いだから!いざとなれば魔王も居るし」
「絶対に止めてよね…」
「よし!行くぞ!!」
お父さんの掛け声と共に私達は警察署に入って行った…




