第74話 「何だこの狭い部屋は?」
次の日の朝…
クーンの荷物をエレンちゃんの寮の部屋に送らせて、ついでに昼前に屋敷に来て欲しい事を伝える。
次に魔王を召喚して、これまたお昼前に来て欲しい事を伝える。
勿論、エレンちゃんも来る事を伝えたら二つ返事で了承していたが…
後は、事情を説明して出発するだけだ!
エレンちゃんはすぐに来てくれたので、これまでの一連の流れを説明する。
「ほえ~。やっぱり別人だったんだね!だって変わりすぎだもん!でも、私は今のアーシャの友達だからこれからも宜しくね♪」
エレンちゃんは本当に女神より懐が深い!
「でも、アーシャの前に居た世界に行くんだよね?緊張するな~」
「大丈夫だよ!私が居た国は物凄く平和だから、エレンちゃんも気に入ってくれると嬉しいな♪」
「うん!そう言われると楽しみになってきたかも♪」
「ふふ♪ありがと♪」
その後は、エレンちゃんをおめかしして準備が完了した。
遅れて魔王が来たので事情を説明する。
「では、お前が前に居た世界とやらに一緒に行って、我が変身魔法を使ってお前の顔を変えれば良いのか?」
「まあ、そうなんだけど…。貴方、全然驚いて無いわね」
「もうお前関連の事では驚かない事にしたのだ!」
「何よそれ…」
魔王も説得すらせずに納得する始末。
まあ、本当に良き友人達を持ったものだ。
「それじゃ、行くわよ!しっかり手を繋いでてね!!」
「うん!」
「ああ♪エレンさんの手が…。これは、永久凍結して保管しておかねば!」
魔王が何か怖い事を言っていた。
それじゃあ、行くわよ!
召喚!
私達!!
昨日来た私の部屋だ。
「何だこの狭い部屋は?」
「つ、着いたの?」
「狭くて悪かったわね!この国じゃお金持ちでも無いとこれくらいよ!」
「見た事も無い物が多いな…」
「取り敢えず後で説明するわ!まずはエレンちゃんから家族に紹介するから一緒に来て」
「う、うん。分かった!」
「我は待機か?」
「そうね。後で呼びに来るわ。壊さない程度で物色してても良いわ」
「ああ、そうさせてもらおう」
エレンちゃんとリビングに向かう。
やっぱり予備知識が無い状態だから、物凄く緊張している。
「エレンちゃん、安心して。ゆっくり色んな事を知っていけば良いから」
「う、うん。ありがとう」
「出来れば、私の家族にはいつもの笑顔で会ってあげて欲しいな」
「こ、こうかな?」
「うん♪そんな感じ」
私が先にリビングに入る。
「ただいま!うわ!皆どうしたの?」
「お前がマジでヤバイって言うから緊張してるんだよ!」
「まあ、確かにマジでヤバイんだけど…。じゃあ、早速紹介するわ!私の向こうでの親友のエレンちゃんです!!エレンちゃん!入って来て!!」
私が1人で拍手してエレンちゃんを出迎える。
「ご紹介に預かりました。エレンと申します。皆様、ごきげんよう♪」
エレンちゃんはにっこりと微笑んで挨拶した。
10秒くらい経つが皆からの返事がない。
「あ、あれ?アーシャ、私何かおかしかったかな?」
「エレンちゃん、ごめん。皆、意識が飛んじゃったみたい…」
「こ、こここ、こちらこそ宜しくお願いします!私は綾の父なんかをやらせて頂いております、葛木信宏と申します!こんな狭苦しい場所にお迎えするのは大変恐縮ではありますが!な、何卒ご容赦下さいませ!」
結局、何とか挨拶を返せたのはお父さんだけだった…
「こっちの母が真由美。兄が弘樹。妹が美来よ」
「………」
「………」
「………」
3人はまだ固まっていた…




