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第73話 「お前、凄いな…」

「う~ん。そうだ!魔王がたぶん変身魔法使えるから、警察に行く前に使って貰うわ!写真があればたぶん大丈夫だと思う」

問題は即解決した。


「そんな便利なものが…」

「魔王ってそんなに都合の良い話を聞いてくれるのか?」

「うん。だって最初に頼んだの部屋の掃除だし」

「お前、凄いな…」

兄ちゃんが私に驚いている。

なんか優越感♪


「それじゃあ、今日は戻るね。明日は魔王とエレンちゃんを連れて来て紹介するよ!」

「明日は丁度日曜だし、皆でお迎えするか」

「向こうの時間とこっちの時間は殆ど一緒みたいだから、お昼くらいに来るよ」

「一応、料理揃えて待ってるわ。おもてなししないと」

「うん。ありがと!あと、エレンちゃんマジでヤバイから、心の準備しといてね!」


私はそう言って異世界の自分の部屋に戻った。




「お嬢様!!お戻りになられたんですね!」

「あら、フラウ。どうしたの?」

「どうしたの?じゃありませんよ!クーンが一緒に行ったから心配はしていませんでしたが、やはりこれだけ遅くなるなら知らせのひとつくらいは入れて頂かないと!」

「ごめんなさい……気を付けるわ。それよりお父様はもうお休みになられたかしら?」

「いえ、まだご自身の部屋でお仕事をされております」

「もう!お父様は働き過ぎなのよ!まあ、良いわ。ちょっと話があるから後で伺うつもりなだけなんだけど…」

「畏まりました。お伝えしておきます」

「ん、ありがと」



コンコン…


「アーシャか?入って良いぞ!」

「お父様、まだお仕事されていますの?」

「ああ、切りの良い所までな」

「あまりご無理をされませんよう」

「そうだな、今日はもう終わろう」

「是非♪」

侍女にお茶を入れさせ、2人向かい合う。


「ところで、何か用事があったのか?」

「用事が無くては会いに来てはいけませんか?」

「いや、だがお前が来る時は大体何かしらの願い事があったと思ってな…」

「……ごめんなさい」

「気にするな。可愛い娘のお願いであれば、何でも聞きたいのが親と言うものだ」

「ありがとうございます」

本当に素晴らしい父親である。

だけど、私は今からそれを裏切らないといけない…


…………

……………

………………


「そうか…。確かにアーシャはある時から豹変してしまったかの様に感じていたが……」

「そうです…。元のアーシャの人格は私が奪ったも同然ですわ…」

「最初は本当に悪魔が取り憑いてしまったのだと思っていた」

おい!!


「だが、それが今のお前と言う訳だな」

お父様の目が鋭くなる。

まるで私と言う存在を品定めしているかの様だ。


「そうです。しかも元のアーシャの人格は全くありませんので、全くの別人と言っても過言ではありませんわ」

「……そうだな。だが、お前が奪いたくて奪った訳では無い」

「!!…ですが!」

「ならどうしろと?私に愛娘の姿をしたお前を殺してくれと?それこそ私は立ち直れなく自信があるぞ…」

「それは…」

「奪いたくて奪った訳では無いのなら、アーシャはまだお前の中で眠っておるのかもしれん。出てきたくなった時は勝手に出てくるかもしれん。全くの想像だがな…。だからアーシャが出てきたくなった時は抵抗せずに譲ってあげて欲しい。…私からはそれだけだ」

「……ありがとうございます」


私は知らない内に泣いていた。

やっぱり心の何処かで罪悪感を抱えていたのだろうか?

お父様の言葉がありがたくて涙が止まらなかった。






≪綾の家族視点≫


綾が帰った後…


「………」

「………」

「………」

「………」


「…寝るか」

「…そうね」

「…エレンちゃん。どんな奴なんだ?」

「…イケメン♪」








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