第72話 「親父達騙されてんじゃねーの?」
「親父達騙されてんじゃねーの?」
「ほ、本当にお姉ちゃんなの?」
「本当なの!何なら私しか知らない兄ちゃんと美来の事も話せるわ!!」
私のその言葉にお父さんにとお母さんはビクッと反応した。
「まあ、今の時代ならネットもあるし、ある程度は調べられんじゃね?」
「なら、兄ちゃんが10歳の時、実は隣の美冬お姉ちゃんが大好きで、いつも寂しいフリをして美冬お姉ちゃんに抱きしめられた時にその柔らかい胸に顔を埋めて、顔に当たる感触を堪能してたじゃない!!」
「!!何で、それを…」
「それから、今まで付き合った彼女は必ず胸が大きい女の子だった。付き合ってすぐに胸に顔を埋めてエロい顔をするから、すぐに嫌われて別れるの繰り返しで……25歳の今も童貞でしょ!!」
「ど、童貞は関係無いし!!」
「お姉ちゃん!私は?」
「美来は……それは、とても暑い真夏の夜だった。私がちょっと驚かすつもりで話した怖い話に美来はトイレに行けなくなった。そして翌朝広がった世界地図。あれは美来が……」
「お姉ちゃん!会いたかったよー!!」
美来は私が言い終わる前に抱きついて来た!
「そう、あれは美来が1…」
「わーん!お姉ちゃん!!お姉ちゃ~ん!!!」
そして、美来の嬉し泣きによって掻き消された。
「ほ、本当に綾なんだな…」
「ぐすっ、お姉ちゃん…」
ほら!兄妹感動の再会よ!!抱擁は!?
何とか、私が綾本人であると信じて貰えた様だ。
まあ、実際は本人では無いのだが、中身は綾なので嘘は言っていない。
「それで綾は何処に行ってたの?」
「う~んとね、異世界?」
「「「「異世界!?」」」」
「そうそう、小説とかアニメとかであるやつ。私も自分の身に起きる迄は到底信じて無かったんだけど。もう凄いの!魔法とか魔王とかエレンちゃんとか!!」
「魔法…」
「魔王!?」
「エレンちゃん?」
「お姉ちゃん!イケメンは!?」
美来は乙女ゲームを嗜んでいるから食い付いてきた!
「こっちに戻って来れたのも私の召喚魔法を使ったの。私の部屋に魔力を発生させて、私を召喚したのよ。凄いでしょ!」
「それって、召喚魔法って言えるのか?」
兄ちゃんもゲームやるから召喚魔法くらい知ってるよね。
確かに普通の召喚魔法では、戻って来るのは無理だったかもしれない。
「魔王もエレンちゃんも友達だから、今度連れて来るね!」
「ん?魔王が友達?」
「綾は、その異世界とか言う所に戻るつもりなの?」
「向こうでは私は公爵令嬢だから、居なくなったらそれはそれで大騒ぎになるし」
「公爵令嬢!?お偉いさんじゃないか!」
お偉いさんに頭が上がらないお父さんが反応する。
「お姉ちゃん!魔王様はイケメン?」
「そうよ!イケメンの知り合いも何人かいるから……。そうだ!向こうに美来を召喚してあげる。イケメンが選り取り見取りよ!!」
「本当!やったー!!楽しみ~♪」
「異世界とやらは安全なのか?」
「大丈夫だよ。向こうでは私結構強いし、エレンちゃんは回復魔法使えるしね」
「まあ、綾が無事に帰って来てくれたから安心したけど…。定期的に戻って来るのよね?」
「うん。何なら夜はこっちに来ても良いけど」
「既に異世界に住む所があるなら難しくないか?」
「じゃあ、向こうのお父様にも話して2日か3日に1回は帰ってくるよ!」
「捜索願いはどうしようかしら…」
「そうだな…」
ここで新たな問題が浮上した!




