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第70話 『無理じゃなくて、やるのよ!!』

その後も屋台で買い食いをしながら祭りモードの街を練り歩く。

食べた感想なんかを話しながら3人で祭りを楽しんだ。


そして、祭りの最後と言えば花火だ。

色はカラフルでは無いらしいが、火薬玉を打ち上げて爆発させる技術はあるらしい。



王都の空に大輪の華が咲き誇る。


「綺麗だね♪」

花火に照らされるエレンちゃんの横顔はそれはもう神秘的だった。周りに居る人達も既に魅了されている。



思えば勘違いから始まった異世界転生生活だけど…

仲の良い友達も出来て、屋敷や学園の皆も心が暖かい人ばかりの様な気がする。

そんな人達に囲まれている私は本当に幸せ者だわ。

前世の私はどうなったのかは全く分からないが、両親や兄妹に別れを言えなかったのが残念ではある。

でも、これだけは伝えたい…


「落ち込んだりもしたけれど、私は元気です!!」


「アーシャ、突然どうしたの!?」

「ご主人様、元ご主人様はこれが通常運行にゃ!常に乱心なされているから、気にしたら負けにゃん!!」

「………」

人が感傷に浸っていたのに…


私は体の中に居座っているであろう呪いに魔力で話し掛ける。


『ちょっと!呪いさん!!』

『えっ?わ、私!?…はい!何でしょう!?』

『あなたは何の呪いなの?』

『えっと、私は…『不老』の呪いです』

『不老…それ良いわね!あなた、あそこの猫娘に乗り移りなさい!』

『いや、それは無理かと…』

『無理じゃなくて、やるのよ!!』

『は、はい!畏まりました!!』

私から黒い霧が立ち込めて、クーンに向かっていく。


「わわ、何にゃ!これは…さっきの呪いにゃ!!私の中に入って来るにゃん!?」

「クーンさん!?大丈夫!?」

「大丈夫よ、エレンちゃん。これは悪い呪いじゃ無いみたい」

「呪いに良いも悪いもないにゃん!何言ってるにゃん!!」

「呪いは否定するから呪いなのよ、上手く共存して有効活用するのよ!」

「この人本当に何言ってるにゃん!?呪いで苦しんでいる人達に謝るにゃん!エレン様、助けてにゃ~!」

「で、でも悪い呪いじゃ無いって…」

「純真か!?にゃん…」

ふふっ、10年、20年経っても一向に増えないシワ・シミ・そばかすに恐怖すると良いわ♪

貴女は熟女好きな男性から見向きもされなくなる事でしょう!

私を馬鹿にした罪よ!永遠に後悔なさい!!



花火も終わって家に帰る。

エレンちゃんには早速、クーンが護衛兼侍女として付いていった。クーンの荷物は明日送る事になった。


夜道を1人歩きながら考える。

やっぱり転生が突然過ぎて、前世でやり残してきた事が多すぎる。

多くのな◯う系物語で主人公達が強制転移や強制転生させられるのを見てきたが、可哀想以外の何ものでもない事に今気付いた。

前にも言ったが、説明の無い転移や転生は拉致と一緒だぞ!!



さっきから気分がアンニュイだわ。

もしかして、ホームシックになっているのかしら?



ピコン!

閃いたわ!!


…本当にとんでもない事を思い付いてしまった!


召喚で前世の家に帰れないかしら?







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