第68話 「…たぶん一番左ね」
店主のおじさんに聞いたら1本が約150kgらしい。
私もとうとう身体強化魔法が使えるようになったみたいだ。魔法が発動した形跡は全く無いが…
「あらやだ!勝手に強化魔法を使っちゃったみたい!おじさま、やっぱり魔法は反則かしら?」
「いや、そんな事はないが、いくら強化魔法を使っても9本まとめて持ったのを見たのは初めてだ!」
「………」
「………」
エレンちゃんとクーンが白々しい目を向けてくる。
ああ!そんな目で見ないでエレンちゃん!私の中の新しい扉が開いてしまうわ!!
「クーンは強化魔法使えるから大丈夫じゃない?」
「そんな魔法知りませんにゃん!」
「………」
あくまですっとぼけるつもりね…
エレンちゃんは勿論持てず、クーンもそのままだと持ち上げるだけが精一杯だったので、私が9本全部投げた。
ただ、普通に投げれるのと的に入れるのは別物で、手前の的にしか入れる事が出来なかった。
「じゃあ、5等の景品だ!中身は食べてみてのお楽しみだ!」
そう言って渡されたのは、不思議な種や木の実の詰め合わせだった。
屋台を後にして、種をつまみながら歩く。
今は祭りだから作法とかは関係ないわ!
「あら、なかなか美味しいわ!」
「何の躊躇もなく食べ始めるご主人様は、やはり大物だにゃん!」
「アーシャ!食べたら体が光だしたんだけど!?」
エレンちゃんの体が光に包まれている。もしかして当たり?
「わわ!何か目の前に文章が!!」
「私には見えないわ。何て書いてあるの?」
「ジョブチェンジ出来ます。次の中から選んで下さい。①聖騎士②魔法騎士③竜騎士……だって」
『ナイトの実』か何かだろうか?恐ろしくナイトに偏っている。
「選ばなかったらどうなるのかしら?」
「そうだね!急には決められないかも…」
「取り敢えず保留ね!」
「分かった!でもずっと視界に文字があるのはやだな…」
「小さく出来ない?」
「あっ!何か右上に小さい四角いのが3つあるよ!」
「…たぶん一番左ね」
「これ?あっ、小さくなった!」
……パソコンかよ!!




