第66話 歩く厄災
≪とあるリトルリアン視点≫
「何なんですか!この化物!!」
「だから言ったであろう!絶対に手を出すなと!」
「手を出して来たの向こうですよ~!!」
「う、うむ。そうだな…」
「我らも所詮井の中の蛙だったと…うぐわあああ!!」
「バーサック!!」
バーサックまでやられてしまった!
残りは魔王様と私一人。相手は小さな人族の少女。
はっ!きっと私は悪夢を見ているんだわ!
「魔王様、貴方様の事をずっとお慕いしておりました!!」
「?…おい!リトルリアン、どうした!!」
「これは夢です!なら、言いたい事を言っておかないと!!」
「まるでこやつの様な事を…。目を覚ませ!これは現実だ!!」
だって今の私達、この人間の何倍も大きいのに全く敵う気がしないんだもん!現実逃避だってしたくなるわよ!!
因みに私は大きな蝶、魔王様は大きな門です。
「シュバルツ先生…、そんな所まで人の字をなぞったらいけませんわ!!」
その少女は軽く腕を払っただけなのに、その衝撃波で私達は吹き飛ばされる。
「くっ!…こやつの最も恐ろしい所は、目が覚めたら何も覚えていない所だ!」
「もう歩く厄災じゃないですか!?」
「ならば……我が止めるしかあるまい!!」
あっ!今のキュンときた♪惚れ直しちゃいました!!
「奥の手を使う…。リトルリアン、我の上に乗れ!」
門の上に蝶が止まりました。
「そのまま我に魔力を譲渡し続けるのだ!」
「はい!!」
「いくぞ!『次元結界』!『豪雷流雨』!!『大爆炎轟瀑布』!!!」
ああ!この魔王様に全てを吸い取られる感じ……最高!!!
キュイーン!
ズドドドド!!
ドッカーーーン!!!
人間の少女に物凄い攻撃が襲い掛かる。
もう結界の中は何が何だか分からない。
「はあ!はあ!」
「はあ♪はあ♪」
「どうだ!これで少しは…」
「私はまだまだいけます!!」
「そ、そうか…」
「先生!今触った所、ピリッときて熱くなってきましたわ!!」
「う、うそ…」
「…もう手が付けられんな」
全くダメージを受けていない。私達は何と戦っているの?
魔王様が人型に戻ったので、私も人型になる。
因みに私の人型は、人族で言う所のロリ新妻風らしい(誰かが言っていた)。良く分からん…
「面倒臭くなった!もう暫くすればトリップから戻るであろう。転移でこやつごと送り返して戻ってくる!」
切り替えの早さもとっても素敵!!
やっぱりこの決断力と行動力が魔王様の王足る所以よ!!
転移は上手くいったが、戻ってきた魔王様はぼろぼろだった!
私の膝枕で横たわるぼろぼろの魔王様…
ああ!ありがとう!!名も知らぬ少女さん♪
魔王様に回復魔法をかけつつ、そんな失礼な事を考えていた…




