第64話 「う~ん。困ったわね…」
「う~ん、困ったわね…」
早速、ミシェル先生に相談してみたら、あまり良い返事ではなかった。
流石に0点は不味いと思い、補習か何か出来ないか聞いてみたのだ。
「私も放課後は合コ……コホン!将来設計の為の準備があるから補習はちょっと無理ね」
「そうですか…」
「そうだわ!他の先生に頼んでみましょう!!」
「あ、ありがとうごさいます!」
態々探してくれるなんて、なんて良い先生だ!
放課後とある教室にて…
私は補習をしてくれる先生を待っていた。
探すのはかなり難航したみたいだが、ミシェル先生とお食事に行きたい他の男性教諭に、食事に行く約束と引き換えに今回の補習を取り付けてくれたそうだ。
本当に良い先生である。
「私がキー……コホン!頼りにしている先生でね。しっかりと教えてくれると思うわ!」
「何から何まで、ありがとうごさいます!」
それにしても遅いわね…
あれ?何だか瞼が重く…
……ZZZ……
◆◇◆◇◆◇◆
「君がアーシャ君かい?」
「は、始めましてですわ!き、今日は無理を言ってしまい申し訳ありません」
「気にしなくて良いよ。私の事はシュバルツと呼んでくれ」
「わ、分かりました。それでここなのですが…」
カリカリカリ…
ノートに書き写す音がやけに大きく聞こえる。
「もしかして、まだ緊張しているのかい?」
「そ、そんな事は…」
「そうだな。じゃあ、緊張を解す取って置きのまじないを教えて上げよう!」
「おまじないですか?」
「ああ、人と言う字を三回なぞるんだ」
「それくらいなら私も知っていますわ」
「私のは手のひらじゃなくて、足の裏なんだ…」
「そ、そんなの初めて聞きましたわ!」
「だから取って置きなんだよ♪ほら足を出してごらん」
「は、恥ずかしいですわ!」
「ずっと緊張したままだと効率が悪いよ」
「それは…」
シュバルツ先生の説得に負け、恐る恐る足を差し出す私…
「じゃあ、いくよ」
先生の指が足の裏をなぞっていく。
くすぐったい事よりも、妙な感覚が私の中に芽生える。
「先生…。もっと緊張を解して欲しいですわ」
「しょうがない子だ♪」
「先生…」
「アーシャ君…」
夕暮れの教室でふたつの影が徐々に近付いていった…
◆◇◆◇◆◇◆
「ぐおおおお!!!まさかトリップした状態で我を喚び出すとは!こやつは厄災か何かか!?」
「魔王様!?助太刀を!ぐはあああ!!」
「タウラス!?こうなれば…。場所を変えるぞ!!」
魔王城地下闘技場…
「リトルリアン!バーサック!真の形態で本気を出せ!!」
「こ、こんなの無理よ…」
「流石に死を感じますな…」
「この世界の平和は我々に懸かっているのだ!いくぞ!!!」
この日、人知れず魔王と勇者パーティーの最終決戦が行われていた…




