第61話 「また、ロクでもない事を考えておるな…」
さて、どうしましょう!!
「にゃん!にゃ、にゃ~ん!!(クーン!私よ、アーシャよ!!)」
「にゃっ!お嬢様?もしかしてその猫が!?」
「…クーン。アーニャが帰ってきてくれたから、もう君を撫でることは出来ない!ごめん、別れよう!!」
「にゃんで私がフラれないといけないにゃん!?コイツ相当ヤバイにゃん!!」
「にゃんにゃにゃにゃ~にゃん!にゃ~ん!!(そんなヤバイ奴に捕まってるのよ!助けて!!)」
「わ、分かりましたにゃん!…フラウ様、お嬢様を離すにゃ!」
「何を言っているんだい?この子はアーニャだよ。もうあの頃とは違うんだ!僕とアーニャを引き離そうとする奴は何人たりとも許さないぞ!!」
「仕方がないにゃん…」
クーンの姿が掻き消えた!
「そこだ!」
「…う、嘘にゃ!」
フラウ君が自分の首筋目掛けて振り下ろされた手刀を受け止める。
「アーニャ、今から僕と君の仲を裂く悪者をやっつけるから、ちょっと待っててね♪」
「悪者…。ふざけるにゃ!そのまま息の根を止めてやるにゃん!!」
何故かフラウ君とクーンの死闘が始まった!
やっぱり、愛と憎しみは紙一重なのね…
い、今の内に…逃げましょう!
何とか部屋から脱出したものの、クーンが居ないとただの猫扱いされてしまうわ。
そうだわ!
魔王なら猫語も分かる筈よ!
召喚!
そして、現れた魔王も猫だった!!
「にゃ!にゃんにゃ、にゃにゃ~ん!?(うお!何で我が、猫の姿見をしているのだ!?)」
「にゃんにゃん!にゃにゃにゃお~ん!!(ごめんなさい!何でも良いから助けて!!)」
「にゃんにゃ…にゃ~ん!!(最早お前は…無茶苦茶だな!!)」
魔王は一旦元の姿に戻ってから、人型になった!
そのせいで天井の一部が崩壊した。
「全く、お前と居ると退屈だけはせんな!」
そう言って豪快に笑った後、私を無造作に抱き抱えた。
あら、やだ♪今の乱暴な感じ、キュンと来ちゃったわ!!
「また、ロクでもない事を考えておるな…」
やめて!乙女の心を読まないで!!
「にゃにゃん!にゃんにゃ~ん!!(そんな事より!早く戻してよ!!)」
「そのままの方が案外周りは平和かも知れんぞ!」
ムカッ!
ズドン!!
私は魔王の胸に猫パンチを繰り出した!
ハートブレイクショットよ!!
「ぐはっ!!これでまたエレンさんに膝枕して貰える…ぞ……」
魔王は満面の笑みのまま、前のめりに倒れて動かなくなった…
ああ!私ったら何て事を!!
折角、元に戻れそうだったのに…
そうよ!困った時のエレンちゃんよ!!
回復魔法で何とかならないかしら?
でも、このまま喚んでしまったら、きっとエレンちゃんも猫に…
滅茶苦茶見てみたいけど!!
私は過去最大の好奇心を押し殺して考える。
「う~ん…」
ピコン!
閃いたわ!!
イメージした場所に自分を召喚出来るなら、その魔力を介して相手と意思疏通が出来ないかしら?
…やっぱり私って天才?自分の才能が怖いわ♪
イメージ、イメージ……
エレンちゃんと魔力のパスを繋げるのよ!
エレンちゃん…、エレンちゃん…。
繋がれ~!!
「ふえ?何これ?」
やった!成功よ!!エレンちゃんの電話越しの様な声が頭に流れてくる。
まずはこの魔法と今の状況を説明しないと!
「にゃ~?にゃんにゃ!にゃんにゃんにゃ~ん!!(エレンちゃん?アーシャよ!取り敢えず私の家に来て!!)」
………あれ?
~この日、謎の猫の鳴き声を聞いたエレンは、怖くなってベッドから一歩も出ることが出来なかった~




