第55話 「この後の展開が気になるわね…」」
「この後の展開が気になるわね…」
家から本を持って来たは良いが、丁度良い展開の所で終わってしまった。守衛さんが来るのはもうそろそろだから、続きを取りに戻るのは明日にしましょう。
牢に入れられて数日が経つ。
何の変化も無いまま時間だけが過ぎて行く…
私を牢に入れた事を忘れてるんじゃないかと不安になってきた。
まあ、毎日家に帰ってるから、特に問題は無いんだけど…
この前はエレンちゃんも遊びに来てくれたし♪
でも、ずっと牢屋と家を往き来するのは嫌だわ!
誰か素敵な殿方が私を救いだしてくれないかしら♪
そんな願望を抱いていると、丁度守衛さんが食事を持って降りてきた。実は彼もイケメンだ!
「貴女の様な可憐な令嬢が囚われているなんて何かの間違いだ!今から一緒に逃げよう!」なんて妄想をするのもしばしばよ♪
そうだわ!たまには守衛さんと会話しておかないと不審がられるかもしれないわね。
「守衛さん、ごきげんよう♪何時もお食事を運んで下さって感謝致しますわ!」
「えっ!?」
≪とある守衛視点≫
思えば、牢に囚われている令嬢は何処かおかしかった…
食事を日に2回持って行っているが、食べたのは最初の時だけで、しかも黒パンをかじった程度、後は全く手を付けていなかった。
食事と一緒に換える水も全く減っていない…
人は飲まず食わずで生きていけるものなのか?
しかし、彼女は全く衰弱することなく、常に小綺麗で落ち着いている。日ごとに服が微妙に違う様な気もするが、流石に気のせいだろう。貴族の服なんてどれも豪華過ぎて庶民には違いが分からん。
かと思えば、時には顔が醜く変形し、死んだように眠っている事もあった。
此処にいるのは一体何だ?人間では無いのは確かだ…。
まさか!魔女!!
聞いた話では、人の理を無視し、魔法とは別の…魔術によって相手を呪ったり、不幸にすると言われている。
そんな人外の存在が、今俺に話し掛けてきている…
食事を運んで貰って感謝しているだと!
ただの皮肉では無い筈だ。「こんな物は要らない、お前の血肉を寄越せ」と言う事だろう。
俺は震える体を無理矢理動かし、食事を専用の鉄格子の隙間から差し込む。
ふと、隣の扉を見ると錠が外れかかっていた。
慌てて錠を戻そうと手を触れるとバラバラになった。
「ああ、ごめんなさい。錠がどんなものか興味があって、触っていたら壊れてしまいましたの!オホホ♪」
一体何時壊した?まさか、最初から…
「こんな物で私を捕らえているつもりか?お前達の様な虫けらなど何時でも殺せると言う事だ!」だと!
な、何で牢の番だけの筈なのに命の危険があるんだ!?
嫌だ!魔女なんか相手にしたくない!
は、早く逃げなければ!!
「あら?守衛様、体が震えていますわ!何か体を温める物…。そうですわ!私が温めますわ!!人肌で!!!」
魔女が牢から出てくる!鉄格子をひん曲げて!!
「ぎゃあああ!!助けてくれーー!!!」




