第52話 「お茶でも飲んでいく?」
「はっ!ここは…家…?」
冒険者ギルドで罵倒されてからの記憶が無いわ!
まだ冒険者にもなっていない私達に忘却魔法まで使うなんて!冒険者ギルド…恐ろしい所だわ。近寄らないようにしないと…
「そうだ!エレンちゃんは!?…まさか!奴等の毒牙に!?」
もしエレンちゃんの身に何かあったりしたら、冒険者ギルドごとブッ潰してあげるわよ!!
「ニルは居る!?」
「お呼びでしょうか、お嬢様!」
「急いでエレンちゃんが居る学園の寮まで送って頂戴!」
「…まさか、エレンさんの身に何か!?」
「そうよ!全速力でお願い!!」
「畏まりました!!」
エレンちゃん、どうか無事で居て!!
1分後、学園寮…
ドンドン!
「エレンちゃん!居るなら返事して!」
「は~い!どちら様…アーシャ!あっ、口調戻したんだね」
良かった!無事だったわ!!…口調って何の事かしら?
「無事で良かったわ!ごめんなさい、エレンちゃん。冒険者ギルドは私が思っていたよりも恐ろしい所だったみたい。今後は近寄らない様にしてね?」
「??…うん。わかったよ」
「ふう、安心したら疲れちゃったわ…」
「お茶でも飲んでいく?」
「良いの?ニルも連れて来てるから一緒に良いかしら?」
その後、3人で楽しい時間を過ごした。
家に帰るとカミュ君が訪ねて来ていた。
「アーシャ!冒険者ギルドで何をしたの!?」
「カミュ様への言伝をお願いしましたわ」
「えっ?それだけ?」
「それだけですわ。でも帰りに新人イビリにあって…、忘却魔法まで使われてしまったのです!淑女にそんな事をするなんて、ギルドとして由々しき問題ですわ!」
「あれ?僕がギルドに行った時は、冒険者の皆が死屍累々で倒れていて、職員の人達はカウンターの裏で隠れて震えていたんだけど…。受付嬢の一人に話を聞こうとしたら、とても混乱していて「アーシャが…!化物が…!!いやーーー!!!」って取り乱してしまったんだ…。それで君に事情を聞きに来たんだよ」
誰が化物よ!!
「何ですかそれは!?こちらが被害者ですのよ!!」
「そうか…。僕は現場に居た訳じゃないし…。ごめん!僕の早とちりだったみたいだ」
「カミュ様もあんな危ないギルドは早く抜けられた方が宜しくてよ!」
「やっぱり令嬢には合わない雰囲気だよね。皆に代わって改めて謝罪するよ!ご迷惑をお掛けして申し訳ない!」
「カミュ様がそこまで仰るなら許しますわ。私も冒険者になってみたかったのですけど、ギルドがあれでは…考え直しますわ」
「そうなんだ…。じゃあ!お詫びに今度、一緒に魔物の討伐でもしてみる?」
魔物の討伐デート…斬新でアリかもしれない。
◆◇◆◇◆◇◆
「これ、受け取ってくれないか?」
「えっ!もしかして…?」
「うん。きっと気に入ると思う」
「まあ♪ゴブリンの耳!とっても嬉しいわ!!」
「着けてあげるね!」
「どう……かしら?」
「すごく似合ってるよ!どこぞのアマゾネスみたいだ!」
「カミュ様…」
「アーシャ…」
◆◇◆◇◆◇◆
「…カミュ様。アマゾネスは誉め言葉ではありませんわ」
「何も言ってないよ!?」
「そもそも、ゴブリンの耳はプレゼントではありませんわ!!!」
「だから、何も言ってないってば!!!」




