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第42話 「…何の事ですかにゃん?」

やっと静かになったわ。


「マオーさんからも何かある?」

「そうだな…。クーンとやら、お前相当強いだろう?」

「…何の事ですかにゃん?」

「愛嬌のある顔と猫なで声で相手を油断させ、仕留める時は相手も気付かぬ内に一瞬で…か。まあ、油断がなくとも、ずば抜けた身体能力に強化魔法の重ね掛けで、手がつけられなくなるのは想像がつく」

「…貴方は何者にゃん?」

「今はしがない清掃業者だ」

「…分かったにゃん。そう言う事にしておくにゃん」


ちょ、ちょっと!これただの面接なんだけど!?

実はお前の正体は…みたいな話いらないわよ!!



「そ、それじゃあ、結果は3人目が終わった後だから、外で座って待っててね」

「ありがとうございましたにゃん。失礼しますにゃん」

「~にゃん」も抑揚が無いと怖いのね…



さあ!今度こそ、気を取り直して3人目よ!!


「次の方どうぞ~」

ドアに向かって声を掛ける。

フラウ君、倒れてないで仕事して頂戴…



ガチャ!

最後に現れたのは…



「失礼する…」

スラッとした背の高い婦人が入ってきた。

私達面接官を品定めするように見ている。


「私の可愛い息子を誑かしたのは貴様だな!」

「えっ?私ですか…」

そして、ビシッ!とエレンちゃんに向かって指を付きだした!


いや…だから、此処は面接会場なんだってば!!



「どちら様でしょうか?」

冷静に対応してみる。

心が天然水より清らかなエレンちゃんが、そんな事をするわけがない。何となく想像は付くが、この婦人の息子さんが、この前の舞踏会の時にエレンちゃんに一目惚れしてしまったのだろう。


「あんなに誇り高かった息子が、どごぞの馬の骨に飼い慣らされていると聞いた!心配して見に来てみれば『僕はもう子供じゃありません!母上こそいい加減子離れしてください!』と言われる始末…。」

私の質問には全く答えてくれないし…

その息子さん、ただの反抗期では?


「我が一族が下賎な輩に絆されるなど、末代に渡る恥である!」

カッチーン!!

今、エレンちゃんの事を馬鹿にしたわね!


「ちょっと貴女!さっきから言いたい放題言ってくれるじゃない!!女神ですら裸足で逃げ出すエレンちゃんを馬鹿にするなんて!天に代わってお仕置きしてあげるわ!」

「この私にお仕置きだと!?片腹痛いわ!!」


「…盛り上がっておる所すまんが、アーシャさんは勘違いしておるぞ」

「勘違いって何よ!?」

「そこの女、人の形はしておるが、竜種のニブルヘイズだぞ」

「えっ?」

ニブルヘイズって…うちで飼ってる走騎竜の事?


飼い慣らされて…ってもしかして私のせい?




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