第38話 「先生!どうしたんですか?」
「はい、今日は彼とのデートです。夜景の見えるレストランを予約してくれています」
キャサリンからの定期報告を受ける。
なかなか順調みたいね!
「良くやっているわね!引き続き任務続行よ。問題があれば言って頂戴」
「もし実際の年齢がバレた場合、私は社会的に死ぬのですが…」
「10歳くらいまでの記憶が無いから、精神年齢は妥当だと主張しなさい!」
「…分かりました」
「もし社会的に死んでも、ここでずっと雇ってあげるから安心して頂戴」
「…ありがとうございます」
ルイ先生が私に泣きすがる日もそう遠く無いわね!
◆◇◆◇◆◇◆
「先生!どうしたんですか?」
「アーシャか…。私はどうしようも無いダメな人間だったようだ…」
キャサリンに手酷くフラれて落ち込む先生に声をかける。
「そんなことありませんわ!先生は私にとってとても大切な人ですわ!私の大好きな人を悪く言わないで下さいまし!」
「アーシャ、お前…」
「先生、ずっとお慕いしていました。こんな時に言うのは卑怯なのかもしれません…。でも落ち込んだ先生を放ってはおけませんわ!」
「…こんな私で良いのか?」
「はい…、そんな先生が良いんです♪」
「アーシャ…」
そして見つめ合う2人……もう言葉は必要無かった。
◆◇◆◇◆◇◆
ぐへへ♪
おっと!またしても淑女にあるまじき顔になってしまったわ。
待っててね、先生~♪
次の日…
ふと、キャサリンの左手の薬指にはまった指輪が目に付く。
「キャサリン、その指輪はどうしたの?」
「昨夜のデートの時に彼から頂きました。身に着けておかないと不自然ですので」
「……貴女から見た先生の印象は?」
「そうですね…。お嬢様が言われた通り融通が利かない時がありますが、それは自分に確固たる信念がある事の裏返しでしょう。異性の扱いに不馴れな所も、焦れったくて何だか可愛く見えてきました。さらに時折見せる彼の真剣な表情と笑っている時の顔とのギャップが、私の心を撃ち抜いてしまいました」
ダメじゃん!篭絡されてるじゃん!!
「そうね、大体そんな感じかしら」
私は先生の笑顔も見たこと無いわよ!?
「もう、作戦は成功したも同然ね。じゃあ、後は貴女が彼をフッて終わりよ!」
「いえ、まだ彼を絶望に落とすには足りないかと…。もう少しお時間を頂ければ作戦の成功は揺るぎないものになりましょう!」
「そ、そう?それならお願いするわ!」
更に次の日…
私の机の上にキャサリンからの手紙が…。辞表?
開いて中を見ると…
『私、幸せになります!』
あんの女狐~~~!!!




