第32話 「うん、良いよ~♪」
「エレンちゃん、今度うちに遊びに来ない?」
「うん、良いよ~♪」
「あっ、でも異国のお偉いさんが一緒するんだけど良いかな…」
「お偉いさん…」
「お偉いさんって言っても仕事は清掃業だからそんな肩肘張らなくても大丈夫よ」
人類を一掃するって意味では間違って無いわよね…
この前は実際に部屋の掃除もしてくれたし。
「…うん、分かった。やっぱり私服は不味いよね」
「そうね、この前のドレスまだ持ってる?」
「うん!あれは我が家の家宝になりました!」
「ふふっ♪何それ♪」
ああ、やっぱりエレンちゃんは癒されるわ!!
守りたい!この笑顔!!
あっ、そうだ。
あの魔王の腕輪をエレンちゃんに譲って貰おう。
勇者の攻撃を防ぐくらいだからきっと高性能でしょうし。
「それじゃあ、明日学園が終わってからね。おやつも用意しておくわ」
「おやつ…。急に楽しみになってきたよ♪」
「ふふっ♪私も楽しみだわ♪」
翌日の放課後…
エレンちゃんを連れて家に帰る。
先ずはエステで体の隅々まで綺麗にする。
「ほわ~、肌がプルプルだ!」
「何これ?何でこんなに手に吸い付いてくるの!?」
「もうアーシャ!やめてよ~♪」
次はおめかしね。
王宮お抱えの化粧師に来てもらった。
エレンちゃんがHEM48から女神に生まれ変わる!
「このお方は何者ですか!?」
プロも驚くエレンちゃんの美しさよ!
そしてドレスを着ると…
青い女神がご降臨なされた!!
「…………」
「この前と一緒だよね?」
また言葉を失ってしまった。
プロのお化粧で更に美しさが増し、最早手がつけられない!!
隣の化粧師を見ると、案の定エレンちゃんに見惚れていた。
良し!
準備は万端よ!!
部屋には2人だけになり、魔王を召喚する。
「こんなに早く喚ばれるとは思っていなかったぞ!で、そちらの………」
エレンちゃんを見て固まってしまった。
まあ、このモードのエレンちゃんを見ると自分の中の価値観が覆される。
美人って何なんだろうと…
でも、魔王の意識を飛ばすなんてエレンちゃん流石ね!
「あっ、あの~」
「はっ!」
エレンちゃんが声を掛けると、意識を取り戻した魔王はおもむろに跪く。
「ずっと貴女をお慕いしていた。我と契りを結んではくれまいか?」
「えっ、えっ?」
今、会ったばかりだろうが!いきなりプロポーズするな!!
「マオーさん。エレンが困惑しておりますわ。少し落ち着いて下さい!」
「あ、ああ。我が我を忘れてしまうとは…」
「プッ!我が我をって…、あははは♪」
「………」
魔王はエレンちゃんの屈託のない笑みを見て、また固まってしまった。
エレンちゃん半端ないわ…
「ごめんなさい、マオーさん。今日は色々とお話を聞かせて下さい」
「そ、そうであるな。やはりお互いの事をちゃんと分かり合わねばな!」
魔王が狼狽えている…
…と言うか、殿下とキャラが被ってるわよ!!




