第29話 「どう?似合うかしら?」
「フラウ~!フラウは居る!?」
「お呼びでしょうか?お嬢さ…ま…」
「どう?似合うかしら?」
「お嬢様。それは…」
「これは『猫耳としっぽセット』って言う古代アーティファクトよ!着けるだけで猫獣人になった気分を味わえるわ!主人として、いつも頑張ってくれている使用人の要望は聞いてあげにゃいといけにゃいにゃん!」
「お嬢様はそうやっていつも私をからかって…」
「今回は違うにゃん!ほら、高貴な猫が貴方に構って欲しくて甘えているにゃん。どうするにゃん?」
「私は…、私は…!!」
フラウ君の葛藤が凄い…
普通に考えればここで私を諌めて終わりだと思うが、猫獣人の格好をした私にすがらないといけないほどのトラウマでもあるのだろうか?
「やっぱりダメです!執事足るもの主人の要望に応えることはあっても甘えるなど言語道断。…今回はお断り致します!」
今回は…って言ってる時点で駄目な気もするが、フラウ君のやる気が出たなら問題ないわ。
「誘惑に耐えたご褒美にゃ!フラウは良く頑張ってるにゃ~。もっと自信を持つのにゃ~♪」
フラウ君の頭を撫でてあげた。
「!!…う、うう。にゃん太…、にゃん太~~!!」
何かの琴線に触れたのか、フラウ君が涙を流しながら私の胸に飛び込んできた。
イケメンが自分の胸の中でわんわんと泣いている…
破壊力ヤバすぎ!!は、鼻血が出そう…
「ほら、フラウ。ベッドに横になりましょう!」
「うん…」
ああ…尊い!!
不味いわ!私の中の色んなものが溢れ出ている!
理性が………崩壊する!!!
ブツン!!!!!
≪フラウ視点≫
『その様な無粋な物。無用であろう?』
不意に、にゃん太を思い出してしまい。泣きながらお嬢様に抱き付いてしまった…
普通の執事であれば、その時点で解雇宣告か、実質的に首が飛んでいてもおかしくはない。
だが弱った僕の心は、お嬢様の優しいお言葉に従ってしまう。
「ベッドに横になれ」と。確かにこのままでは仕事にならないだろう。お言葉に甘えてしまった…
お嬢様が豹変したのはその時だった!!
今までも「乱心なされた」と感じる様な事は多々あったが、今回は特に様子が変だ!
まるで悪魔…、いや、違う!もっと神聖なモノが体に憑いているみたいだ!
そして、先程の言葉で僕の服は残らず弾け飛んだ!!
思わず、前を手で隠してしまう。
『可愛い男の子じゃ。もっと近こう寄れ』
この人の言葉には逆らえない!?
体が勝手に動き出し、また抱き付く程の距離になった。
『おお、初いのう♪ほれ、そこに横になれ。可愛いがってやろう』
逆らえないのなら仕方がない。
それならせめて…せめて…
「や、優しくしてください…」
『……………』
ブーーーーーー!!!
お嬢様?は物凄い勢いで鼻血を噴き出し、放物線を描きながら後方に飛んでいった…




