第23話 物凄くデジャヴだわ!
「はい、あ~ん♪」
「ガチガチガチガチ」
「ああ、こんなに震えてしまって…。きっと熱も出ているのね。フラウ、本当にごめんなさい…」
「あ、あく…お嬢様が謝っ…た?」
この前の件は私も非常に反省しており、お詫びにフラウ君に彼が好きな『あ~ん♪』をしている所だ。
「何時も私に仕えてくれて、支えてくれて、助言してくれて。貴方が居なかったらどうなっていたか…。物凄く感謝しているのよ」
「お嬢様がこんな謙虚に…。もしかして、夢?夢だったら何をやっても許されるぞ!」
あれ?何か物凄くデジャヴだわ!
「お嬢様、三回回ってワンと言って下さい」
面白そうだったので合わせてみる。
その場で三回転し「ワン!」と吠えた。
「こ、これは本物の夢だ!!よ、よし!次は…」
「フラウ様、何かご用でしょうか?」
「何かご用だと?お前は自分の犯した失態も忘れるほど無能なのか?廊下にあった高価な壺を割ったのはお前だろう!」
「そ、それは…!な、何卒お許しを!」
私は今、侍女の服装に着替えて寸劇をしている。
フラウ君に侍女の服に着替えろと言われたのだが、勿論侍女の服なんて持ってないから借りに行ったら、その侍女が興味本意で付いてきた。
今もドアの隙間から覗いているので、『家政婦は見た!』みたいになっている。
「許してだと?それが許しを乞う時の態度か~?んん~?」
フラウ君の普段とは違う別人とも取れる言動に、侍女は唖然としていることだろう。
まあ私は、鞭打ちの刑ごっこの時にその片鱗を感じ取っていたが…
「な、何をすれば宜しいでしょうか?」
私は床に頭を付け必死に謝る…演技をする。
「そうだなあ~。罰として今から語尾に『~にゃん』を付けろ!」
「そんな、ご無体な!」
「にゃんを忘れるな!」
「そんな、ご無体にゃん!」
「そして、僕の近くに来て、上目遣いで『ご主人様、アーシャは寂しいにゃん…。構って欲しいにゃん…』と言え!」
フラウ君の特殊癖が極まってきた…
もう侍女は付いてこれていないだろう。
「ご主人様、アーシャは寂しいにゃん…。構って欲しいにゃん…」
言われた通りにやってみる。
すると、フラウ君はいきなり私に抱き付いて頭を撫でてきた!
「そうか、そうか!寂しかったのか~!いっぱい可愛いがってやるからな~♪」
「ま、待ってフラウ!そう言うのはダメよ!」
「…えっ?」
あっ!やっちゃった…




