第16話 おい!変なのが混じってるぞ!!
エレンちゃんが踊る姿を遠巻きに見る。
勿論最初は殿下からなのだが、逆に殿下が緊張してエレンちゃんがリードする始末。
2番目が近衛騎士団団長
3番目が宰相の息子
4番目が陛下
5番目が侯爵家の長男
おい!変なのが混じってるぞ!!
ダンスが終わった後は、皆恍惚とした表情を浮かべていた。
まあ、楽しそうに踊るエレンちゃんを一時でも独占出来るからね。気持ちは分かるわ。
≪ミッション3≫クリアね!
後は無事に家に帰ったら≪ミッションコンプリート≫よ!
ダンスの後はステージでの余興だ。
大道芸人が凄い数の輪っかでパフォーマンスしたり、巷で有名な歌姫が美声を披露した。
そして、終盤に差し掛かる時にそれは起こった!!
フッと広間の灯りが消える。
人間、目の前が急に暗くなると動揺する。次第に動揺は大きさを増し、手がつけられなくなる。
もしかして殿下の暗殺!?
だが、近くには近衛騎士が護衛しているから問題無い筈。
広間が騒然とする中、誰かが魔法で大きな光球を打ち上げる。
それが天井に触れた瞬間、辺りは元の明るさを取り戻した。
「殿下、ご無事ですか!?」
「賊の仕業だ!すぐに確認しろ!」
近衛騎士や貴族の護衛から怒号が飛び交う。
陛下は既に居ないみたいだ。
エレンちゃんと踊りたかっただけなのね…
「エレン、大丈夫?」
私が隣に話し掛けると、其処には誰も居なかった…
私は周りを見渡すが、エレンちゃんの気配は無い。
「エレーン!!居るなら返事してー!!」
大声で呼んでみる。やはり返事は無い。
淑女にあるまじき行為だが、緊急事態だ。
私の声を聞いて殿下がやってきた。
「アーシャ、エレン嬢は無事か?」
近衛騎士は殿下が無闇に動かない様に引き留めようとしたらしい。何人かが引き摺られていた。
「私が気付いた時にはもう…」
「くそっ!私が舞踏会に呼んだばかりに…」
「殿下のせいではありませんわ!ちゃんとエレンを見ていなかった私のせいです!」
「とにかくまだ遠くには行っていない筈だ!すぐに探索部隊に探させる!絶対に許さんぞ!!実行した者共とその一族全員残さず縛り首にしてやる!!!」
殿下も怒ると恐いわね…
まあ、優しいだけじゃ上には立てないか。
「殿下、落ち着いて下さい。そんな鬼の様な形相をしていたらエレンに嫌われてしまいますわ」
「う、うむ、そうだな。だがこのような状態、気が気ではおれんぞ!」
「殿下は、まず騒動を起こした内通者が居ないかの調査を。此度の失敗、何卒再発を防ぐべきかと」
「分かっている!!しかし何故そなたはそんなに冷静で居られるのだ!?」
「急いては事を仕損じると言います。それにエレンはすぐ取り戻しますから」
「は?」
待っててねエレンちゃん!!




