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第15話 「あの令嬢は何者!?」

ステージの脇から殿下が現れる。



「エレン、殿下に手を振ってあげて」

「分かりましたわ!」

エレンちゃんが胸の前で軽く手を振る。

満面の笑顔付きで!!


エレンちゃんを発見した殿下は、途中で前のめりに倒れた。


「殿下!?殿下!!ご無事ですか!?」

「あ、ああ、問題ない。どうやら疲れが溜まっているようだ」

そのまま続行となった…


ステージ中央に立った殿下は、用意しておいたであろうスピーチを始める。


「今日の良き日に皆に集まって貰い感謝する。食事や飲み物、後程は僅かだが余興も用意……」

殿下の言葉が途中で止まった。

顔が此方に向いているから、またエレンちゃんと目が合ったのだろう。


「で、殿下?」

執事の人が声を掛けるが殿下は反応しない。

何度か呼び掛けた後に、結局体を揺さぶって意識を戻した。


「いや、誠に申し訳ない。どうやら疲れが溜まっているようだ。今日は楽しんでくれ」

今日の一連の不審な挙動は疲労で済ませる気らしい。


殿下のお言葉に拍手が起こる。

エレンちゃんも隣で一生懸命拍手していた。


お偉いさん方の有難いお話も終わり、再度歓談モードへ。


お偉いさん方をエレンちゃんに説明していると、ステージ横の扉から殿下が出てきた。


「え、エレン嬢!今日はようこそお越し下さいました!食事もお口に合うか分かりませんが用意させておりますので、是非お楽しみ下さい!」

あれ?前はこんなに(へりくだ)ってはいなかったよね?


そう言えば、今日のエレンちゃんは女神だったわ…


殿下の態度を見て、周りは「あの令嬢は何者!?」的な目でエレンちゃんを見ている。

基本、王族が低姿勢になる身分の人間は居ないからだ。

平民に(へりくだ)る王族の図が完成よ!


「ふふ♪食事はもう頂きましたわ。とても美味しゅうございました♪」

至近距離でエレンちゃんの微笑み攻撃を喰らった殿下は、また固まってしまった…

この調子で大丈夫なのかしら?


~この日、王宮の料理人全員に特別ボーナスが支給された。給料一年分のお金を急に渡され、解雇宣告と勘違いした者が続出した~



殿下との雑談も終わり、今生の別れの如く去っていく姿を見送った。殿下が他の貴族に挨拶しない訳にはいかないからね。


暫くすると、エレンちゃんを目当てに人が集まってきた。

私が矢面に立ち、無慈悲に処理していく。


「なんだお前は?邪魔だ!」と言われた時は、死角からの見えないリバーブローで退場して貰った。


どさくさに紛れてエレンちゃんに触れようとした輩は、零距離無手粉砕術を使って、手の指を粉砕骨折した。

この技を使う時は、叫び声が出ないように汚い布で相手の口を抑えるのを忘れてはいけない。


舞踏会なので、純粋にダンスの誘いをする者だけ残したら行列になった!

時間も無いので先着5名までにしたら、ブーイングが起こったが、エレンちゃんが「お誘い下さってとても嬉しいですわ。今日ご一緒出来ない方も是非次の機会に♪」と笑顔で言えば、皆の顔がデレデレになって納得して散っていった。


おい!!ふざけんなよ!!








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