第13話 パジャマパーティー第4回
「あら、そうかしら?」
「そうだよ~♪」
ああ、何て楽しい時間なのかしら!
明日が来なければ良いのに!!
念願のパジャマパーティー第4回。
エレンちゃんと私のベッドでお喋りしていると現実に戻りたくなくなってしまう。
とうとう明日が舞踏会、私はダンスは踊らないと決めた…
エレンちゃんの方は、食べ方が分からない料理は食べない事になった。
覚えることが多すぎるのよ!!
しかも、殿下がとち狂った事をしないように見張っておかないといけないし…
「本当に私なんかが参加して大丈夫なのかな?」
エレンちゃんが不安そうに私を見てくる。
くっ!この表情もダメだわ!彼女を手に入れる為に大商人達が全財産を擲って経済が崩壊してしまうわ!
「エレンちゃん。令嬢たる者、不安な気持ちをおくびにも出してはいけないのよ。私の前だけにしてね」
「そうなんだ。分かったよ!」
ふう、デフレを回避出来たようね。
「エレンちゃんは殿下のご指名だから、逆に参加する権利があるわ。『殿下にお呼び頂いて…』とか言っておけば大丈夫よ」
「良かった~!美味しいものは食べれるし、ダンスは踊れるし、実は凄く楽しみにしてたんだ!」
「……そうね。私も楽しみだわ♪」
権力に群がるハイエナども!この無垢な少女を少しでも見習ったらどうだ!!
エレンちゃんが貴族社会に染まらないように、私が24時間体制で護衛するしかないわね!
舞踏会当日。
昼は普通に学園に行き、早めに帰って用意をはじめた。
いつもよりしっかりメイクをして、コルセットを巻いてドレスを着る。コルセットはやっぱりキツイわね!
エレンちゃんは別の部屋で準備中。
今までは若干私寄りで彼女の容姿を評価していたので、先入観をリセットし、今日の他の参加者と同じ目線で彼女を見たかったからだ。
ガチャ!
部屋のドアが開かれる。
「アーシャ、準備出来た?」
私は心を落ち着かせ、思い切り振り返った。
「…………」
「アーシャ?」
「…………」
「もう!アーシャってば!」
「はっ!エレンちゃん?」
「返事してくれないって事は…そんなに変?」
エレンちゃんに肩を揺さぶられて意識が戻ってきた。
人間って本当に美しいものを見ると意識が飛ぶのね。殿下の反応が正しいと証明されてしまった。
『ヤバイが一周回って、変と言われれば変ですね!』
あの店員の言葉もあながち間違いでは無かった。
明らかに異質…。この空間に全く相応しくなく、逆に違和感を感じる。
「ううん、凄く似合ってる!これなら男達のハートを鷲掴み出来るわ!」
「そんな筈無いよ。豪華絢爛な舞踏会だから、皆綺麗なんだろうなぁ~」
これは不味い!本人に自覚が無いのが特に不味い!!
まあ、比べる人間が居なかったのに自覚しろと言う方が無理なんだけど…
はっきり言ってダイヤの原石どごろでは無く、宇宙から来たレアメタルだ。
突如舞踏会に現れた、神秘的な美しさを持つ令嬢…
貴族の男連中が放っておく理由が無い!
…私も本気を出さざるを得ないわね!!




