第12話 「お帰りなさいませ!お嬢様♪」
「お邪魔します…」
「お帰りなさいませ!お嬢様♪」
家に帰るとキャサリンが出迎えてくれた。
だが、明らかにエレンちゃんに向かってお嬢様と呼んでいる気がする。
声色も心なしかいつもより嬉しそうだ。
やっぱり怒ってるよね!!
だが私は、言いたい事を言えない異世界人では無いのだ!
「キャサリン、私に腹が立つのも分かるけれど、貴女もあんな二面性を持つ暴力的な顔だけの男じゃなくて、性格が優しい男を探した方が良いわよ」
私がズバリと言ってやると、キャサリンは左腕を抑えながらガタガタと震え出した。
「ぐっ!待ちなさい!この人は私の雇い主なの!危害を加える訳にはいかないの!!」
何!?左腕に話しかけてる!怖いんだけど!
でも、だったら何で私の悪魔憑きの噂くらいで気絶したのかしら?
はっ!!もしかして、全部キャサリンの陰謀!?
私が真の黒幕の出現に戦いていると、他の侍女達によって私達は湯浴みに連行された。
湯浴みも終わり、その後は食事の時間。
「う~ん、やっぱり難しいよ~」
「姿勢を整えておけば、後は適当で良いんじゃない?」
「ダメです。エレン様を令嬢として立派に教育するのが私達の使命!妥協は許されません」
いや、エレンちゃんは平民なんだけど…
「分かったわ!けれど最後のデザートは自由に食べさせて頂戴ね!」
「……承知致しました」
「ありがとう、アーシャ♪」
デザートを堪能し、お茶を飲んで一息ついたら、後は寝るまでダンスの練習だ。
流石48に選ばれるだけあって、エレンちゃんはすぐに頭角を現していった。
「エレン様、お上手です!後は曲調に合わせてステップの組み合わせを覚えましょう」
一旦休憩。
「ダンスって楽しいんだね♪知らなかったよ!」
エレンちゃんが眩い笑顔を向けてくる。
この笑顔は危険だわ!このままでは、彼女を巡って国家間の戦争が起きてしまうわ!
「エレンちゃん、令嬢は見知らぬ相手に無闇に笑った顔を向けたりしないものなの。微笑むくらいにしておいてね」
「わわ、そうなんだ!ありがとう、アーシャ♪」
ふう、なんとか世界の危機を回避出来たみたいね。
因みに私と殿下の間では既に戦争になっているわ!
ダンスの練習が終わった…
進捗具合はエレンちゃんが8、私が2くらいだ。
…私だけ間に合わないよね!?




