第11話 「しょうがないの!」
午後は舞踏会の為のドレス選びだ。
エレンちゃんも参加するので、勿論彼女の分も選ぶ。
「こんなに高いドレス着れないよ!」
「今回、無理に誘ったお詫びなの!しょうがないの!」
何がしょうがないのか分からないが強引に行ってみる。
「…しょうがないなら、しょうがないね」
エレンちゃんは押しに弱い。最弱だ!
チャラい男が近付かないようにしなければならないのだ!
エレンちゃんとドレスを選んでいると、ふと雰囲気が違う生地のドレスに目が止まった。
「流石、アーシャ様!お目が高い!そのドレスの生地は、先日討伐されたブルードラゴンの竜鱗を加工して、繊維状にして編み込んだ物なのです。こんなに薄い生地なのに、鋭い刃物でも傷一つ付きません」
店員がすかさず近付いてきて、頼んでもないのに説明しだした。
そのドレスは全体的に薄い青みがかった色で統一され、胸元には小さなアクアマリンと波紋をイメージした美しい装飾がなされていた。
「綺麗…」
隣に居たエレンちゃんが思わず呟く。
これは買いね!!
エレンちゃんが軽くお化粧してドレスを試着する。
青い女神が降臨なされた!!
店員もその姿に見惚れている。
「ヤバイですね…」
「ええ、ヤバイわ…」
「…やっぱり変かな?」
「ヤバイが一周回って、変と言われれば変ですね!」
店員の言動がおかしくなっている。
エレンちゃんの神々しさにやられてしまった様だ。
幸い私は、自分の美しい顔をいつも見ているので正気を保てている。
「あれ?おかしいな?何で涙が…」
店員の目から一粒の涙が零れた。
美しいものを見ると知らない内に涙を流すアレだ。
「大丈夫ですか?」
エレンちゃんが心配して声をかける。
「あ、ありがたきお言葉!私などには勿体のうございます!」
終にはエレンちゃんに向かって平伏してしまった。
エレンちゃん一般市民なんだけど…
殿下、大丈夫かな?




