第105話 誰が為に…①
その日、世界に激震が走った…
魔界の王である魔王が、大陸にある各国に向けて宣戦布告したのだ!
『我は逃げも隠れもせぬ!魔王城にて我を滅ぼせる勇者を心待ちにしているぞ!!絶対的な力の差を見せ付ける為に、我の元に着くまでは余計な邪魔が入らない様にしてやろう!フハハハハ!!』
古い伝記によると、今から300年前に突如魔王が降臨した。
大陸の最果てに城を築き、魔物を集め軍を作った。
そして、いざ各国に攻め入ろうかとする直前に勇者によって討たれ封印されたと記されていた。
その再来を告げる宣戦布告に、大陸の各国は大慌てで魔王討伐の勇者を募ったのだった。
「あんた何してんのよ…」
「我はもう疲れた…。やられるフリをして全てから解放されたいのだ!!」
「魔界に居る部下はどうするの?」
「もう既に別の大陸に移住を始めている」
「用意周到ね…。う~ん、わかったわ!私が魔王の代役してあげるわ♪この前驚かせたお詫びに、早めに引退させてあげる!」
「ほ、本当か!?」
「魔王城には誰も居ないし、勇者様が来たらやられたフリをすれば良いんでしょ?楽勝よ!」
「そ、そうだな!魔王城の場所は…知っているな!では宜しく頼むぞ!……エレンさん!今、飼われに行きます!!」
「……………」
早計だったかしら…
魔王城大広間…
「……暇ね」
良く考えたら、勇者様は歩きか馬車で来るだろうから、急いで来る必要はなかったわね。
だけど、何時来るか分からないというのは考えものだわ…
ピコン!
閃いたわ!!
これだけ広ければ広間の一画に屋敷の私の部屋があっても問題無いわよね!
召喚!!
「そう言えばこの前美来に頼んで買って貰ってた新刊があったわ。えっと、飲み物は…コーラで良いわね」
冷えたコーラを召喚し、ソファーに横になった。
「うう…、ぐすっ…」
なんて展開なのかしら。
買った奴隷が二重人格なんて誰も予想出来ないわ!
ルナちゃんとナナちゃん、幸せになってね。
ついつい没頭してしまった。
周りも暗くなってきていたので、屋敷に戻る事にした。
流石に夜中に襲撃して来たりはしないでしょう。
「ただいま~!」
「おかえりなさいませ。ご主人様!」
ニルが出迎えてくれた。
そうだ!ラスボスの前には中ボスが必要よね!
それに、暇だったらニルとイチャイチャ出来るわ♪
「ニル、明日から私と魔王軍ごっこをしましょう!」
「魔王軍ごっこですか?」
「ええ、魔王城で勇者様が来たら戦うのよ。私がラスボスでニルが中ボスよ!」
「何か面白そうです!」
「エレンちゃんも誘ってみようかな…」
こうして、新生魔王アーシャの戦力が着実に揃っていくのだった…




