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パニカル!  作者: タナカ
39/98

戦闘






「よっしゃ、よくやった!」


 俺は廊下の先で肩で息をしている委員長のそばに行った。


「は、ははは………」


 委員長は力なく笑ったあと、傍の壁に寄りかかった。


「怖かったぁ……」


 委員長は壁に顔を当てながら、危なかった、本当に危なかったとぶつぶつ呟いた。


「おー、怯えているじゃないか。なんとかわいそうに」

「半分はあんたのせいだけどね」


 八巻が冷ややかな顔をしながら隣を通りすぎて、委員長の肩に手を置いた。


「大丈夫?」

「あの弾丸。1発目はともかく、2発目が防げたのは確実にマグレだったよ。あれなきゃ、心臓に当たってて、僕、今ごろ悶絶してたんだろうなぁ……」


 あ、表情がうつろだ。なんかダメっぽい。


「んー、委員長を慰めるのもええんやけど」


 湊は自分の右手にある腕時計をこちらに向けた。

 午後12時50分前だった。


「ほら、この争奪戦が終わるまであと10分しかないんよ。どないしょう?」

「どうもこうも、もう十分だろ」


 俺は昏倒しているミリタリーオタクらしい坂木の傍にいる、猫verのミニ桃ちゃんに手を伸ばした。

 そのミニ桃ちゃんはフラグを2つ持っていた。


「これで俺たちが持っているフラグは計5個。確かフラグは全部で20個ほどあったから、こ

れで俺たちは4分の1を取得したことになる」


 そう、もう十分だ。これ以上取って何になる?


「後は終了時間まで適当に隠れてりゃいいだろ」

「うっわ。消極的な意見やな」

「打算的と言え」


 湊が口を尖らせていたが、無視。


「あら、それは聞き捨てなりませんわね」


 さっきまで俺たちがいた廊下の隅から、金髪の女が現れた。 










 エル、メイドのヨルフェ、ついでにその後ろで洋太と沢木龍二が付き従ってる感じだった。

 ……とりあえず言いたいことが1つ


「……なんか雰囲気が犬みたいだぞ、2人とも」 

「うるせぇ! 出番がねえんだよお!」

「でしゃばったら邪魔になるどころか下手したらこっちまで攻撃されるんだ!」


 そしてうぉーん! と泣く洋太と龍二。

 そして洋太の手には熊の着ぐるみのミニ桃ちゃんがいた。

 ミニ桃ちゃんは、フラグを7つ持っている。


「……このままじゃ負けるやん」


 俺たちのミニ桃ちゃんを抱えている湊が、そのフラグを見て言った。


「いいじゃねーか、別に負けても」

「……ほんっと、やる気ないわね」


 委員長にお茶を飲ませて休ませていた八巻が、冷ややかな視線を向けた。


「最近、やる気出したら負けかなと思ってる」

「何そのニート的な意見は?!」

「すごいだろ」

「なんで偉そうなのよ!」

「……まぁ、まーやんのやる気なさはいつものことやからええとして」


 湊はミニ桃ちゃんを地面に降ろすと、壁に立てかけてあった杖を取り出した。 


「……あちらさんはそう思っとらんようやで?」

「あなた方からフラグを奪えば、優勝が確定されますわ」


 エルは背中からスキュアの杖を手に取る。


「覚悟はよろしくて?」

「待て。こちらには湊がいるんだぞ」

「うっわ、かっこわる」


 黙れ人質。


「友人に手をあげるのは人としてどうかと……」

「これは戦争ではありません。授業ですから」


 にっこり綺麗に笑うと、エルは前傾姿勢になった。


「手を抜くのは友人のためになりませんわよ!」


 ドンッ!


 エルの杖が俺に向かって迫る。

 そして鈍器のようにその杖を振り上げた。


「げっ!」


 エルの接近が速すぎる。

 俺は回避行動をとる暇も無く。


 ドガッ!


 いだっ!


「あ〜れ〜!」


 風の呪文が付与されていたらしく、俺は風の効力も手伝ってか派手にふっ飛ばされた。


「あっけな!」


 湊の叫びが聞こえたが、それどころじゃない。

 このままだとガラスに突っ込む。

 ガラスは痛い。どっか切りそうで普通に痛い。


「っと!」


 どうにかぐりんと身体をひねらせてガラスに背を向け、それと同時にルミナスの剣を引きぬく。

 同時に剣をガラスに向かって投げた。


 ガシャアン!


 ガラスが割れる嫌な音が聞こえたが、俺自身は無傷で、外の道路に出ただけだった。

 あー危な。


「受け止めてくれるととっても嬉しいなー!」

「おわ!」


 続いて飛んできた湊から飛んで逃げる。


「ひどっ!」


 とか言いながらも湊は危なげなく道路に着地した。


「ヴェナール、ウィンディ!」


 杖を手にした八巻がそう叫ぶのが聞こえた。











あぶなかった。あと5分投稿が遅かったら本日中の投稿無理でした。 

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