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パニカル!  作者: タナカ
37/98

スクールパニック?


 残ったのは処理に困る肉片と、瓦礫の山。

 そして敗者となった40人弱の生徒たちだった。


「うわぁあああん! 覚えてなさいよこのバカ〜!!」


 杏子は盛大に悔し泣きしながら去っていった。

 ………面白いやつ。


「なあなあ」

「なんだ?」


 横から洋太が口を挟んできた。


「俺たちが勝者、ってことでいいんだよな」

「まーな」


 多分にむこうの自爆も含まれてはいるが。


「これフラグ争奪戦だし、勝者は勝った証拠として旗がいるよな?」

「あ………」


 俺は洋太が言わんとしていることがわかった。

 目の前には体育館大の瓦礫の山と、生徒たち。そしてどこかにあるであろう、旗もこの中にあるはずだった。


「……この瓦礫の中でどうやって旗を見つけよう?」

「……知るか」 


 ド●ゴンレーダーでも欲しい気分だった。










 勝ったのに旗の場所がわからない、しかも試合の時間はあと30分強と時間もない、と本気で辟易していた。

 しかしその時、抱えていたミニ桃ちゃんが「ワタシ、ワカルワニー!」とぴょんぴょん跳ねながら教えてくれた。

 ミニ桃ちゃんはダウジングさながらに瓦礫の中から旗、及びミニ桃ちゃんズを探し出した。

 そして5分後。

 目の前には10個の旗と、ハトやら鶏やら怪獣やらといった着ぐるみを着た、バーチャルな10人のミニ桃ちゃんズがいた。

 つまりは10×4=40人の生徒を一辺に倒した証だった。

 ……すげぇ数だな。


「さて。この旗は共同で狩ったもの、ということに致しますわ。ゆえにとりあえずこの旗は3つずつわけようと思います」


 エルが俺と今井に3つずつ渡した。


「あと1つ残りますが……」

「ジャンケンで決めたらどうだ?」

「そんないい加減な方法で決められますか!」

「だったらエルっちが持っとればええよ」


 湊は八重歯を光らせながら笑っていた。


「今回のMVPは確実にエルっちやと思うし」

「そうね」


 八巻も眼がねを光らせながら同意する。

 ついでに委員長は頭が光っている。

 ……俺のグループってどこかしら光るヤツばっかだな。まぶしいじゃねーか。


「むしろあたしがこんなにもらっていいのかなー、って思うんだけど……」


 魔力を貸しただけの今井が、旗を持ったまま苦笑いした。


「いいじゃねーか。もらえるもんはもらっとけよ」

「あたしは魔ーみたいにあつかましくないの!」


 なんか今井に睨まれる。潔癖なヤツだ。


「……まぁとりあえず共同作業だという名目だったから旗は3つずつ分ける。余った1つが各メンバーの同意により、エルさんがもらう、ということでいいかしら」


 八巻がどうどうと今井を押さえながら、そうまとめた。


「……そうですわね。みなさんがよろしければ」


 てなわけでとりあえずそう決定した。


「残り時間は30分弱ですが……」


 エルが校舎の時計をちらりと見てからそう言った。


「この同盟はあと5分だけ続くことに致しますわ。

 その間に、各グループはここに留まるなり離れるなりしてください。

 ですがその5分が過ぎれば、我々は敵となりますわ。

 会ってもその時は容赦しませんからね」 


 この場でいきなり俺ら3組の戦闘が、なんて起きないようにするための措置だった。


「へー」


 無駄によく考えてあるなと思いながら、俺は適当に相槌をうった。


「ご意見やご質問はございません?」

『………』


 みな首を横に振った。


「では解散致します」 












「どこに行く?」


 とりあえず体育館を離れて廊下を歩きながら俺はグループのメンバーにそう聞いた。

 校舎は、ちゅどーん、みたいな爆発音が響いてきてうるさかった。

 湊や委員長は「どこでもー」とか「とりあえず歩き回ってみようよ」みたいな適当な意見だったが。

 1人、八巻だけは「屋上」という意見だった。


「なんでだ?」


 中庭でちょっとした小競り合いが出ているのを盗み見ながら、そう聞く。


「だって一番風が強そうじゃない。私はウィンドしか使えないから、もし戦闘になるんだったらなるべく風を出すのに有利そうなところを選びたいなって」

「へー」

「ええんちゃう? 別にウチら明確な目的地があるわけでもないんやし」

「…そうだな」 


 てなわけで、とりあえず屋上目指してぶらぶらすることにした。









 どこもかしこも、剣や魔法を使った戦場になっていたが。


 ドガガガガガ!


 階段へと続く渡り廊下は、なぜか銃を使った戦場となっていた。


「なんで?」

「知るか」


 目の前には弾幕が飛びかい。

 足元には気絶しているどっかの生徒が転がっていた。


「弾幕薄いぞ―――!」

「………おいおい」


 魔法使いのくせに改造エアガンとか使ってるし。

 ぎりぎりまで威力をあげたソイツはもはや本物とかわりなかった。


「卑怯くせー」

「うるせー! 発達した科学はもはや魔法と大差ないんじゃー!」


 階段のそばにいるむこうの大将がそう言った。

 あ、プライド捨ててるし。

  

「よっしゃ委員長」


 俺はぼけっとしている委員長に振り替えった。


「石川ゴエ●ンやってみようか」

「あの弾幕を斬り落とせってこと!?」


 よく分かってるじゃないか。その通りだ。


「無理無理! どう考えても無理だって!」

「どうにかなるって。それにだ。湊」

「ああ、そやな」


 湊には俺の言わんとしてることが通じたらしく、背中から杖を取り出した。


「…?」

「湊が風で結界をはってある程度は弾を止めるから、委員長は残った流れ弾を処理してくれ」

「それでもあれ、拳銃だよ? ほとんど」

「それがどうした? それぐらいどうにかなるだろ」 

「……ほんとに?」

「当たり前だ」

「………はぁ」


 委員長はため息を1つつくと、苦笑いを浮かべた。


「わかった。やってみるよ」 









しなびて干からびた野菜食ったらあたった―――! 腹痛い―――! (つД`)。*゜。ウワァーン


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