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パニカル!  作者: タナカ
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普通の学校生活?




 鬼………


 がっしりとした身体、鋭い牙、角が生えた怪物。 

 古今東西様々な種類の鬼がいるが……

 はたして、ここまでプリティーな鬼がいるだろうか?


「はーい、みなさーん。後100往復はありますよー、ふぁいとーっ!」

『………………』


 赤毛のツインテールを揺らした少女が、死屍累々と化した生徒たちを前にかわいく死刑執行を告げた。

 西村桃子先生。通称桃ちゃんと呼ばれる彼女は、20歳だと自称しているがどう見たって10歳前後の容姿をしており、初めて桃ちゃんを見た人はまず間違いなく小学生と勘違いする。

 赤毛のツインテールがぴょこぴょこと揺れ、小学生ぐらいの体躯を精一杯動かしている様は、かわいいの一言に尽きる。


 一応、体力切れでダウンしているこの生徒たちの担任である。

 ここはとある学校の、普通のグラウンド。百メートル走のためのラインがぎりぎり引けるぐらいの大きさのグラウンドに、40人弱の生徒たちが横一列にならび、ひたすらダッシュを繰り返していた。


 ちなみに今、200往復目である。


「お………鬼だ……………鬼がおるぞ………ぐほぁっ!」

「………ま、頑張れ」


 ぐほぁっ、とか言いながら倒れたのは、上野洋太。噂好きで、女好きなアホなのに、なぜか頭も運動神経も、容姿すらそこそこ整っているという、不思議なヤツである。

 そしてそれを適当に励ました俺は三河正志。この荒田学園に在籍する、ごく普通の高校生だ。


「……お前なぜ………疲れてないんだ?」

「疲れてるぞ。きっちりばっちり」

「呂律が回ってる時点で………へん……ぐ、ごほぉ!」

「んもぉー! みんなだらしが無いですよ?」


 桃ちゃんが頬を膨らませながら言った。


「しかし……先生。100mダッシュ600本というのは………さすがに」


 汗と眼鏡の光る坊主委員長が息も絶え絶えに呟く。


「そんなこと無いですよ。私も皆に付き合って走りましたが、汗もでてないでしょう?」


 そう、桃ちゃんは先ほどまで皆と一緒にダッシュをやっていたにも関わらず、息一つ切らしてなかった。


「皆さんは宝剣に守られているのです。この程度で疲れるということは、宝剣の力を出し切れてないということなんですよー?」


 桃ちゃんはそう言うと、手に持った小型の刀をぶんぶんと振り回した。




  

 さて………

 もしもだ。

 数年先か、百年先かは分からないが、その未来に。

 何でもできる可能性を持った力を、

 魔法という力を、

 人間が偶然にも手に入れてしまったら。

 いや、そんな大げさな物でなくても、例えば未開の土地を発見したとか、新しい技術、エネルギーを発見したとか、そういうことでもいい。

 要は社会とか、環境とか人間が様々な問題に苦しんでいるこの現状を打破できるきっかけができたとしたら。

 この世界では、それは宝剣というものだった。

 西暦2050年。

 手にするだけで魔法使いのような力を使える、

 そんなモノが存在する世界。



 Byこの学園の入学案内


 …………とまぁ、まじめに話し始めるとだ。

 ここはまあ………普通の世界だ。21世紀、科学文明。

 ただ、ここ20年で、科学文明の常識が大きく覆されることとなった。

 えー………ぶっちゃけると魔法が見つかったわけだ。


 当然科学者どもは大混乱。そのうえ異空間まで見つかるしでもうてんやわんやだったのだが………

 魔法の発見から約20年。何とか魔法の原理もおぼろげながら分かってき、普通に仕えるレベルまで来たわけだ。

 とはいえ魔法を使うといっても、呪文を唱えれば使えるとか、そういうシロモノじゃない。


 『宝剣』と呼ばれる、魔力が付与された特別な宝玉を付けた武器があるのだが、それを身に着けることによってのみ、使えるのだ。


 宝剣の効果は2つ。


 一つはこれを身に着け呪文を唱えれば霊的特殊能力、俗に言う魔法が使えること。

 もう一つが宝剣の特殊能力による、肉体面の大幅な強化。


 この効果をうまく発揮できれば、桃ちゃんみたいに100m走を何本やろうが屁でもない身体を手に入れれるわけだが、宝剣を使い慣れておらず、魔力変換が下手な2年生諸君にはちと難しいわけだ。


「魔力とは努力をせずに得られる便利な力ではありません。身体の限界をぶっちぎって心の底までもうダメだ………って思ったときに、ちらりと見える一筋の光………それこそが魔力なのですよ!」


 という分けでふぁいとーっ!とメガホンの変わりに宝剣である小刀を振り上げる桃ちゃん。


「ああ………じーちゃん……………今いくよー………」


 てな感じで別の光を見てるヤツもいるが。







 


 初投稿、どころか自分の書いた作品を誰かに読んでもらうことじたい始めてとなります。

 ゆえに至らぬところもたくさんあると思いますが、批評、感想等を下されば本当に幸いです。

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