サイド ???
PM13:00 日野市某所。
「クッソがぁああああ!!!」
昼間だというのに、カーテンを閉め切った一室。
薄明りの中。
テーブルを勢いよく叩き腫れた左手を気遣いながら、忌々しく画面を見つめる。
「なんでだ・・!?なんで・・!なんで注目されない!?」
映っているのは自分史上、最高傑作である彼女だ。
この数年間、彼女のためだけに全てをそそいできた。
そして、ようやく彼女に見合うモノを創り上げたというのに。
なのに、表示されているのはおおよそ評価されているとは思えない数値だけ。
いくら治安が良い都市とは言えど、野放しするはずがない。
事実、周囲の人間は不安げに日々を送っている。
そして、それをおさめようとすれば必ずこれを見るものも増えるはずだ。
だが、現実はどうだ?
評価されない。注目されない。
そのあまりの屈辱に爪を噛みながら、次の手を考える。
「クソクソクソッ・・・愚民共が・・なぜ気づかない!?なぜ見ない!?」
どんどんヒートアップしていく歪んだ思想は、冷静さをどんどん奪っていく。
「そっちがその気なら・・本気になってやるよ・・・」
過ちに気づかぬままそれでも止まることはない。
何故なら、自分は悪くなくて世間が悪いのだから。