暗所恐怖症(女子高生)
※この小説は実際の事とそうでない事が入り交じっています、ご了承下さい
Day1
あなたは帰る時、怯えながら帰りますか?
「今日の部活はこれで終わりで〜す」
「お疲れ様でしたー」
「では解散!」
「駅の店にに新しいのが出たらしいよ〜」
「帰り寄ってこー」
皆、楽しそうだなぁ
そりゃそうか、皆街灯が多くある光の中大勢で帰るんだから
「じゃあここでお別れね!ばいばーい!」
「うん…ばいばい」
同じ部活の友達が自分と反対方向に帰るのを、後ろで手を振りながら見送る
住んでる場所が逆なのだ、私はいつも一人
別にハブられてる訳じゃないし、部活だってめっちゃ楽しい
ただこれから、最悪な時を過ごさなきゃいけない
今日からまた一週間
明るい街と、楽しそうに帰る皆とは逆の方をそっと向く
真っ暗で、住宅街的な道
正確には真っ暗じゃないけど
スマホを取り出し、モバイルライトを点ける
そのままサイトやアルバムの動画を見ながら、曲を聴きながら歩く
「歩きスマホ」ってやつ
私は最近始めたんだ、みんなやってんでしょ?
いいじゃん別に冬場の部活帰りだけだからさ
ふと画面の時計を見ると18:40と表示されていた
この季節、太陽が無くなるのは早い
チリンチリン
!?
ビックリしたぁ
目の前に自転車があったよ…気をつけないと
顔を一瞬上げた
目の前の光景を見て心臓が早鐘を打つ
ドクンドクンドクンドクン
慌ててスマホの画面に目を向ける
不安で、心配で、
残りの電池は4%、警告が出た、最悪
もうすぐこの時間の一番怖いところだ
それまでもって…!
と言う祈り虚しく、スマホのバイブと画面の「電源を切る」の表示が出た
そして画面に光がなくなったら当然のことだがモバイルライトも消えた
頭が混乱する
どうすれば、どうしたらいいの
目の前は真っ暗で全てが恐ろしいものに見える
…コツコツ
「ギヤァァァァァ!!」
しゃがみこんだ
なになになになになになに
横目で不思議そうに私を見る女の人がいた
もう嫌、やだ、やだやだやだやだやだ
スマホを胸の前で両手でしっかりと握りしめながら立ち上がり
私はお化けが出ないことを祈りながら走った
「うわああああああああああ!!」
男子の諸君、女子は本当に怖い時男の声を出すのだよ
私は怖くて何も考えず、じんじんとする頭で走った
目の前が怖い、怖い
涙が出てきた、疲れてきた、息も上がった
ゆっくりとスピードが落ちて私は早足で歩きながら呟き続けた
「なんで私はこんな目に合わなきゃいけないの、もうやだよ助けて」
あたりが明るくなってくる
嬉しくて自然と笑顔になる
T字路のレストランとかが集まってる場所
ここが一番明るい
「死ぬかと思った。」
バス停に着く
道路に目を向け後ろは振り返らない
何故なら…怖いから
バスが来るまでまた泣いていた
バスが来た時嬉しくて、安心して
「良かった…」
そう呟きながら一人席に座った
高校生なのに泣き顔で乗るとか恥ずかしいな
そう思いながら汗ばんだ首にくっついていた髪を掻き上げた