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プロローグ
自分だけがズレている。
自分だけが時間の流れから取り残されている。
自分だけが違う世界に生きている。
ずっとそんな気がしていた。
愛想笑いをして、自分の気持ちをひた隠しにして、その場その場をやり過ごすように生きてきた。
そうすることが賢いのだと信じて。
そうすることが一番ラクだから。
人に合わせていれば、自分がズレているように感じなくなるような気がしていたけれど。
そんなのは気のせいでしかなくて。
一人になれば孤独感と疎外感が襲ってきた。
自分だけが取り残されていく。
自分だけが前に進めずにいる。
そんな思いは日が経つごとに増していく。