#2...親友を喰らうモノ。
月明かりに照らされて、窓に何度も突進するのは、純白の小鳥だった。
ガチャガチャとガラスは悲鳴をあげ、ギィギィと小鳥も負けじと悲鳴をあげる。
私は、窓を開けてみた。
バサバサッと羽根を撒き散らし、彼は入り込んできた。
そして忙しなく部屋中を飛び回る。
何がしたいんだろう?
すると突然、小鳥は正気を取り戻したかのように羽ばたきを緩め、私のほうへスーッと飛んできた。
いつも窓から見ていた鳥のソレより、全然綺麗だった。
彼は私の顔の前でパタパタと器用に羽根を動かしながら飛んでいる。
眼を逸らせない。視線を外せない。
どうすればいいかまったく分からない私は、ただ小鳥の動きを待つだけだった。
この鳥が例え悪魔の使者でも、私には関係ないのだから。
怯えて逃げる必要など、ないのだから。
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『ぁぁ、心地が良い。』
なんだ、この少女は。
冷たく、冷たく、冷たく、冷たい暗闇を受け入れている。
ぁぁ、心地が良い。
苦しみだけの光よりも
惨劇だけの光よりも
あぁ、心地が良い。
この女に 決めた。
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小鳥は私の顔の前に浮いたまま、大きく羽根を広げた。
私の嫌いな色だ。
私の好きな色を壊すから、嫌いなだけなんだけど。
ん、背中がゾクゾクする。
あれ、目の前、真っ暗だ。
ああ、いつもの、暗闇だ。
眼を瞑ろう。
どうか、誰も、起こしませんように。
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がぁぁああああああああ
うまいいいいいいいいい
あははあああはああああ
ぐひええ ぐぷっ げぷぅ
うまああああああああああ
うまいいいいいいいいいい
ああああああああああああああ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
・・・・・・・・・・・
・・・・
我は・・・何を・・・?
ここは・・・?
我は・・・?