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『永遠の推し』

作者: 瑠璃樹_Ruriju
掲載日:2025/11/29

ずっと遠い世界の人だと思っていた“推し”。

画面の向こうで笑うだけで、今日の全部が報われるような存在。

そんな彼と、まさか自分の人生が交差するなんて、誰が想像しただろう。

これは、夢と現実の境目がふっと溶けた日に起きた、忘れられない物語。

 私には、ずっと好きな俳優がいる。

 本気で“結婚したい”くらい。

 彼女はいないらしい──だから、もしかしたら…なんて、馬鹿みたいに考えてしまう。


 そんなある日、握手会が当たった。

 しかも五分も話せるという。


 前日は気合を入れて、彼の好みに合わせたメイクと服にした。

 当日、順番が来るまでは手が震えるほど緊張していた。


 番号が呼ばれて、私は部屋に入った。


 そこには、キラキラ光る“星”みたいな彼がいた。

 現実とは思えなかった。


「可愛いね」

 小さな声でそう言われて、私は思わず聞き返した。


「え、今なんて?」

「なんでもないよ。ほら、話そう」


 夢のような五分は、あっという間に過ぎた。


 帰り際、スタッフに手渡された小さな包み。

 中には、彼が握手会用に用意してくれた小さなブレスレットと、短いメモが入っていた。

 そこには電話番号と「また話そうね」の文字。


──こんな展開、ある?


 震える手で番号をかけると、本人が出た。


「もしもし、希夜? 声、壊れそうなくらい緊張してるけど」

「え、あの…どうして…」

「今日みたいな美しい人、初めて出会ったよ。よかったら、付き合ってほしい」


 胸が跳ねて、息が止まって、世界が白く光った。

 死んじゃうかと思った。


 私は震えた声で「はい」と答えた。


──これは、夢みたいで、本当にあった私の物語。

「こんなこと、本当にあるの?」って何度も自分に聞いた日だった。

胸が痛いくらい嬉しくて、苦しくて、怖いくらい幸せで。

あの日の光も、震えも、息が止まるほどの瞬間も、全部ぜんぶ宝物。


もしこの物語を読んでくれた人が、

“こんな奇跡、いつか自分にも来るかも”って少しでも思ってくれたなら、

それだけで十分くらい、私は幸せだ。


これが、私とあの人が出会った、最初の物語。

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