第四話 残酷に抗う覚悟を抱く
「さてと、、、、ここまで細かい話を君にした理由もついでだし今後に関わることだから説明しちゃうね。」
「はい。」
「それはね、No.13の今後の実験に君にも‘協力’してほしいことがあるからだよ。No.5。」
「‘協力’、、、ですか?」
「そう!今後もさっきみたいに血が溢れてきたりして実験が阻害されるのも嫌だからね。君の癒しの力を使えば問題ないと思ってね。」
どうしてそんな事を思いつけたんだ?
まるで、僕とヒサメが仲良くなったのにも、
理由があるように感じる。
「君が考えていることは正解だよ。No.5。」
「えっ,,,?」
「君とNo.13にコミュニケーションの実験をしたのはね、心のパルスを繋げてもらうためなんだ。心のパルスと言っても機械的な話じゃなくてね、心と心で繋げる、友愛や兄妹愛、家族愛そういったものを作るためにさ。」
心のパルス,,,それを作らせるために?
「結果的にそれはできた。だから君はNo.13の傷を見て僕が止めるまで確実に治そうとしたでしょ?その自主性が僕が一番ほしいと思ったものなんだよ。」
いやーよかったぁ。
とマッディールが言っているのを片耳に僕はヒサメの事を考えていた。
人間の女の子であるヒサメ。彼女も僕と同じでこの地獄で生きてきていて、希望もまだ捨ててない。
なのに、この話をされたらどう思うのだろう。
No.1の話をした時みたいに
また落胆させてしまうのではないか?
またあの子の悲しい顔を見ないといけないのか。
それは、、、、とってもとーっても。嫌だな。
それにしてはおけないが、一度置いて、
マッディールの事を考えた。
どうしてこんな事をしようと思いつくのだろう。
僕とヒサメや他の実験体たちを作ること事態思いつくわけがない。狂っている。そうとしか言えない。
どうして、、、、と思ってもそれは無駄だ。
徒労に終わる疑問にすぎない。
だって、聞いたとしてもコイツらに僕たちの疑問が理解されることなどないのだから。
だって理解できるのならば元よりこんな実験をしようとも協力しようと思えるわけが無いのだ。
だから、
僕が選べる選択肢はもとより一つしかないが、
「No.13の実験に、協力させて,,,もらいます。」
「うんうん、賢明な判断だね。じゃあ明日から早速始めていくから呼んだら逆らわずに来てね?No.5。もし来なければ、君たち2人とも罰を下さないといけないから、もうこれ以上痛いのは嫌でしょ?」
「っ,,,はい。」
マッディールの要求を飲んで協力するしかない。
協力しなければ僕はヒサメが傷つくのを知っていても癒してあげることはできない。治すことができない。
そんなのは嫌だと思うからだ。
どうしてだろうか。ヒサメを見た時、話した時、彼女を知った時から徐々に実験体になって諦めていたはずの気持ちが浮かび上がって来たのだ。
『ヒサメを連れて此処から逃げたい。あの子を日の当たる外の世界に。』




