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第三話 混ざり合せの君 後編

 癒しの力、それは天使に生まれつき備わっている力 で、生きとし生けるものの傷を癒やし、

穢れを祓う力。病も治せたり進行を遅らせることができる。勿論使える量には個体差があるけれど。


 僕の詠唱に応える様に僕の両の手から

 その力が溢れてきた。

 その力はヒサメのひび割れた腕に注がれ始め,

 傷が塞がり始めた。


 傷が塞がり始めて僕は安心したのと同時に、自分の中にあるこの力は捨てられなかったのかと思った。

異族と言われ、戻ることを禁じられたのに、この力は残ってくれたのか。それがなんて気持ちかは知らないけど、今はヒサメが治って欲しいと思う。


「ゔ、、、、うう、‘みぞれ’????」

「ヒサメ。気がついた?少し眠ってていいよ。」

「うん、、、、スースーzzz」


 傷が一定塞がり切った頃にヒサメの意識が落ち着いたのかこちらを見ていた。だから僕は寝てていいよと言ったら落ち着いて静かに眠り始めた。

その間も勿論、癒しの力でヒサメの傷を治している。


「、、、、うん、血は止まったからもういいよ。No.5。」

「っ、、はい。」

「普通なら説明はしないところなんだけど、此処までしてもらったしね今回は特別に教えてあげるよ。」


 マッディールが制止してきたのを本当は振り切って全部治したかったが、逆らえば僕はまだいいがヒサメがどうなるか分からなかったので、頷いた。

その結果、ヒサメの肌に痛々しいヒビが残ってしまった。女の子なのに。


 そして僕は、ヒサメの頭を優しく撫でながら近くの 対談スペースに連れてこられた。


 マッディールがカルテとコーヒーを持って椅子に腰をかけた。そして僕にも座る様に言ってきたので、

僕は頷きながら座った。


 コーヒーを一口、口にしてからカルテの紙を捲り、一度も見たことなかった眼鏡を装着して、


「じゃあ話そうかな。No.13の実験とさっきの変容について。と言ってもね、先ほど君が見た変化に関しては僕の考察ありきでの説明だから。」


そこは理解してね?と目で言われたので、

僕は目を伏せて頷いた。

ヒサメのあの変容については理由が

ハッキリしてないって事か。


「まず、No.13の実験は君とは逆の、人に人ではない種族の部位や遺伝子を植え付ける実験なんだよね。」

「はい。本人が教えてくれました。」

「よろしい。そこが理解できてるなら話は少し早く話せるね。No.13に何を植えつけたのかについてだ。」


 と言ってマッディールは、着ていた白衣から何かを取り出して僕の目の前に出した。

それは青。青い宝石だった。深海の様な色合いを醸し出しているその宝石は、おそらく


「サファイア。ですか?」

「そう。正解。

どうして今これを見せたかは分かるかい?」


 どうして?サファイアを見せたのか?

 その理由を答えろってことか?


「すみません、分かりません。」

「まぁ、普通はそうだよね。ま、いいでしょう。No.13に移植したのは、‘宝石龍サファイア種’の細胞さ。」


 宝石龍。この国に二ヶ月に一度、別々の種ずつ猫や犬の様な換毛期に近い換鱗期と呼ばれる生理現象のために来る。その時に鱗を落としていく宝石が体中に生えているドラゴンのことだ。

別称でジュエリードラゴンともいうそうだ。


その鱗は名の通り、

種ごとに種と同じ宝石と同価値である。


今では宝石商が放し飼いをするほどだった。

ひと昔前までは狩猟などで狩られていたこともあったらしく、当時の国王がそれを禁じてくれたそうだ。


そのドラゴンの細胞を人間であるヒサメに,,?

じゃあ、最初に会った時に気になった瞳孔は、

ドラゴン特有の瞳孔だったのか。


「まぁ、流石に一気に沢山の量を与えるんじゃなくて少量を点滴で投与して観察してたんだよね。君と初めて合わせたのは大体2年くらい投与したあとだったんだよね。」

「、、、、、。」

「でもね。さっきはね、部下の1人が間違えて普段投与している量の三倍の量を投与しちゃったんだよね。」

「えっ,それ大丈夫だったのですか?」

「結果がアレだよ。No.5。君に治してもらうために

君を呼んだんだ。」

「、、、、すぐに血とかが溢れてきたんですか?」

「うん、その通りだよ。毎日、少量ずつ与えていたから死ぬようなことにはならなかったんだけど、肌からは血が溢れてくるし,こっちを警戒して噛みついてきたりしてきたからね、危ないと判断したんだ。」


 と自分の考察をまとめきれてなかったのだろう。ペンをカルテの紙に走らせながらマッディールは説明をして来る。


「流石にね。僕も犠牲を増やして研究が遅れるのは嫌だし、材料だって確保が大変なんだからね。」

「............そう..........ですか。」


 今までどれだけの犠牲を出してきたんだろうか。

僕の中に漠然とした不安が溢れ出してきた。


この先の話を僕は聞いてはいけない。

そんな忠告の声が聞こえる。




初めまして、海凪夢朱と申します。

まずはこの作品を読んでくれている人がいたらありがとうございます。

もしよろしければ、もう少しで序章と言いますか前半が終わるのでその際に感想を頂けると嬉しいです。


今後もこの作品をよろしくお願いします。

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